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zoom RSS 2007年のベストかも?! 映画『しゃべれども しゃべれども』

<<   作成日時 : 2007/07/06 19:14   >>

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 映画『しゃべれども しゃべれども』に関して、もう少しだけ書いておきたいと思います。

 別のところでも書きましたが、この映画、今年の映画賞レースでいいところに行くのではないかという気がしてきました。国分太一の主演男優賞、伊東四朗の助演男優賞、八千草薫の助演女優賞、森永悠希の新人賞、平山秀幸の監督賞、そして作品賞。もっとも可能性が高いのは八千草薫の助演女優賞でしょうか。

 ◆小説版と映画版との違いは――

 ・映画の方が小説と比べて登場人物が整理されている。

 ・映画では、それぞれのキャラクターのリアリティーはあるけれど、全体としてはどうしてもバラバラの寄せ集め(物語として面白くするために無理にタイプの違うキャラクターを集めた)に見えてしまう。その点では、小説の方は書き込みが多いので、すんなりと読むことができる。

 ・映画では、原作にはない「新しい江戸情緒」を盛り込んでいる。

 ・映画では、三つ葉と十河の恋をもう少し押し進めている。発表会における十河の演目の変更は、十河の三つ葉への恋の告白にほかならない(三つ葉も意識しておらず、ひょっとすると十河も気づいていないのかもしれないが)。ラストの一言もいい。あれで、原作よりぐっとドラマチックになった。最近の日本映画で記憶に残る台詞というのはほとんどないので、貴重ですね。そういえば、同じ脚本家による映画『時をかける少女』にもいい台詞がありました!

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 ◆感想を少しだけ

 この作品の長所とされているのは「自分を言葉で表現することが不器用な人が落語に挑戦することでそれを克服していくこと」だと思うのですが、「話し方教室」ならともかく、「落語」というところにやはり無理があります。落語を上手にできるようになったからって、それだけでは自分をうまく表現できるようになれるとは思われません。重要なのは、人前で自信を持って自己表現できる度胸をつけることであることはわかっているはずですが、(ラストに発表会が用意されているので、結局それは果たされるとはいえ)なぜかそれはラストまで不問に付されます。ラストに至るまでにも「自分を言葉で表現することが不器用な人」に対して落語以外の部分でフォローが入りますが。
 本当は落語でなくても、自分に自信をつけ、自己表現できるようなものであれば、演劇でもスポーツでも社交ダンスでも何でもよかったはずなんですが、それを無理やりにでも落語にしたところが、まあ、この作品のユニークなところですね。

 この原作者の他の作品を読んでみれば、「自分を言葉で表現することが不器用な人」は、この原作者の生涯のテーマのようになっているので、自分でこのテーマを掘り下げていった時に、落語にたどり着いたということはあるかもしれません。

 この映画を観て、最初に「おっ」と思ったのは、三つ葉も十河もそのほかの人たちも初めっから他人に対してあまりやさしい顔をしないことで、やさしい顔をされることに慣れきっている観客としては、それがちょっと新鮮に感じられました。
 初対面では、誰だって、内心ではどう思っていても、当たり障りのない対応をするのが普通だと思うのですが、この映画の登場人物たちはそうしないんですね。自分の言いたいことをストレートにぶつける三つ葉もよければ、自分のぶっきらぼうさを素直に相手にぶつける十河のリアルさもいいと思いました。
 やさしい顔をしないリアルさというので思い出されるのは『Shall we ダンス?』で、マイナーな世界にスポットライトを当てるという点でも本作は周防正行ワールドに近しいものが感じられます。

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 ◆映画『しゃべれども しゃべれども』に関するトリビア

 ・ほおずき市のシーンは、映画制作がはっきりとゴーサインが出る前に、本物のほおずき市を撮影しておいた。そうしないと、撮影にゴーサインが出た時、撮影用にすべてセットで作らなくてはいけなくなるため。(『国分太一のしゃべれども しゃべれども』(角川メディアハウス)より)

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 ・寄席の落語シーンでは、本物の寄席の客に寄席の客として出演してもらった。
 撮影は、本物の寄席が終わってから行なわれたので、撮影が始まるまで、客を退屈させないよう、国分太一や伊東四朗が話をして客を笑わせ、場つなぎをしていた。(テレビ『メントレG』より)

 ・映画の中には国分太一がそばを食べるシーンがあるが、左利きの国分太一は右利きでそばを食べている。これは、監督が、落語家に左利きはいないから右でそばを食べてくれと言ったため。しかし、実際には、あとで左利きの落語家もいることがわかって、監督は国分に謝ったという。
 そばを食べるシーンは、国分本人もいかにも無理しているのがわかると告白している。(テレビ「はなまるマーケット」より)

 ・映画『しゃべれども しゃべれども』のチラシには、ナインティナインがコメントを寄せているが、彼らは実際には映画を観ていなかった。(テレビ「ナイナイサイズ」より)

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 ◆『BRUTUS』落語特集号 Amazon

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 映画『しゃべれども しゃべれども』公開に併せて企画されたと思われる『BRUTUS』2007年6月1日号「ミュージシャンと作る「落語」特集!」はなかなかいい特集号でした。
 実際に読んでみると、本当に落語が好きで、寄席にもよく通っているような落語好きのミュージシャンてほとんどいなくて、企画自体に無理があったというのは見えてしまっているのですが、まあ、『BRUTUS』流の苦肉の策だったのでしょう(笑)。ただの落語特集では売れないと考えて、「ミュージシャンは落語好き」という切り口をウリにしてみたというか。

 これだけでは売れないんじゃないかという危惧は、付録が2つも付けられていたことにも感じられましたが、落語が2席入ったCDと落語マンガが8編入った別冊がついて680円というのは、確かにお得でした。
 ちくま文庫に入っている滝田ゆうの落語マンガは買って読んだ記憶があったんですが、すっかり忘れていました。
 落語CDは、100円ショップで結構買えたりもしますが(笑)。

 特集の切り口に沿った井上陽水と立川志の輔の対談なんかもよかったのですが(もっと読みたかった!)、無理にミュージシャンとからめない普通の落語ガイド特集も普通によかったですね。寄席ガイド、落語CDガイド、おすすめ落語家の紹介、映画『幕末太陽傳』と落語の関係、落語関係サイトの紹介、などなど。

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 ◆ネットで楽しむ落語

 ・社団法人 落語協会:http://www.rakugo-kyokai.or.jp/TodayKohban.aspx
 本日の寄席、芸人紹介、インターネット落語会などコンテンツも充実。

 ・落語「通」検定:http://cert.yahoo.co.jp/beginner/rakugo.html

 ・@ニフ亭 ぽっどきゃすてぃんぐ落語:http://www.podcastjuice.jp/rakugo/
 若手落語家による、「ぽっどきゃすてぃんぐ落語」「ぽっどきゃすてぃんぐ落語【びでお】」が楽しめます。

 ・笑王:http://www.warao.net/index.php
 落語用語辞典のほか、有料ですが、ダウンロードして楽しむ落語の演目も多数あります。

 ・落語用語辞典:http://www.edo.net/goinkyo/yougoindex.html

 ・落語家のブログもたくさんあるようです。例えば――
 快楽亭ブラック「快楽亭ブラックの出直しブログ」:http://kairakuteiblack.blog19.fc2.com/
 桂吉弥「だいたい毎日日記」:http://www.kichiya.net/blog/index.html
 立川志らく「志らくのブログの王様」:http://white.ap.teacup.com/shiraku/
 林家いっ平「落語男」(仮):http://mycasty.jp/rakugodaisuki/index_blog1.html
 などなど

 ・You Tubeでも、「落語」もしくは「rakugo」で検索すれば、多数の落語がヒットします。

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