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zoom RSS 詳細!第60回カンヌ国際映画祭 コンペティション部門

<<   作成日時 : 2007/05/13 22:36   >>

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 5月16日から27日まで第60回カンヌ国際映画祭が開催されます。開催が間近に迫ったので、今年のラインナップについて調べてみました。


 ◆コンペティション部門ラインナップ

 Cristian Mungiu “4 luni, 3 saptamini si 2 zile”(ルーマニア)
 アレクサンドル・ソクーロフ “Alexandra”(露)
 キム・ギドク 『息』“Breath”(韓)
 クリストフ・オノレ Christophe Honor “Les Chansons d'amour”(仏)
 クエンティン・タランティーノ “Death Proof”(“Grindhouse”)(米)
 ウルリヒ・ザイドル “Import/Export”(オーストリア)
 アンドレイ・ズビャギンツェフ “Izgnanie”(露)
 Carlos Reygadas “Luz silenciosa”(メキシコ・仏)
 タル・ベーラ “The Man from London”(仏・独・ハンガリー・英)
 イ・チャンドン “Milyang”(韓)
 河瀬直美 “Mogari no mori”(仏・日)
 ウォン・カーウァイ “My Blueberry Nights”(香港・中・仏)
 コーエン兄弟 “No Country for Old Men”(米)
 ガス・ヴァン・サント “Paranoid Park”(仏・米)
 Marjane Satrapi、Vincent Paronnaud “Persepolis”(仏)
 ジュリアン・シュナーベル “Le Scaphandre et le papillon”(仏・米)
 Raphaël Nadjari “Tehilim”(仏・イスラエル・米)
 カトリーヌ・ブレイヤ “Une vieille maîtresse”(仏)
 ジェイムズ・グレイ “We Own the Night”(米)
 ファティ・アキン “Yasamin kiyisinda”(独・トルコ)
 エミール・クストリッツァ “Zavet”(仏)
 デイヴィッド・フィンチャー 『ゾディアック』“Zodiac”(米)

 審査員:スティーヴン・フリアーズ(委員長)、マギー・チャン、トニ・コレット、マリア・デ・メデイロス、サラ・ポーリー、マルコ・ベロッキオ、オルハン・パムク(トルコ出身のノーベル賞文学者)、ミシェル・ピコリ、Abderrahmane Sissako(モーリタニアの映画監督)

 ◆個々の作品について

 ・Cristian Mungiu “4 luni, 3 saptamini si 2 zile(4 Months, 3 Weeks And 2 Days)”(ルーマニア)113分
 [出演]Anamaria Marinca、Laura Vasiliu、Vlad Ivanov、Alex Potocean、Luminita Gheorghiu、Adi Carauleanu
 [物語]チェウシェスク時代の暗黒の日々を描いた作品のようです。
 [監督の3大映画祭との関わり] 大きな国際映画祭に出品するのはこれが初めて。

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 ・アレクサンドル・ソクーロフ “Alexandra”(露)92分
 [出演]Galina Vishhnevskaya、Vasily Shetvtsov
 [物語]アレクサンドラは、孫に会うためにチェチェンに駐留しているロシア軍を訪ねる。孫との会話、地元の見知らぬ女性との出会い、生々しい戦火の跡が残るチェチェンの風景が彼女の心を大きく揺さぶるのだった。
 *『マザー、サン』『ファザー、サン』といった、家族の絆を描いた一連の作品に連なる作品であるようです。
 *関連サイト:http://proline-film.com/projects/14.html
 [監督の3大映画祭との関わり] カンヌには99年『モレク神』(脚本賞受賞)、01年『牡牛座』、02年『エルミタージュ幻想』、03年『ファザー、サン』(国際批評家連盟賞受賞)をそれぞれコンペ部門に出品し、ベルリンには、87年に“Skorbnoye beschuvstviye”、05年に『太陽』をそれぞれコンペ部門に出品し、89年には『日陽はしづかに発酵し…』をForum of New Cinema部門に出品し、OCIC Award - Honorable Mentionを受賞。カンヌのコンペ部門は5度目の出品。

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 ・キム・ギドク 『息』“Breath”(韓国)84分
 [出演]Park Ji-ah、チャン・チェン、ハ・ジョンウ
 [物語]夫の不倫を目撃して、夫に幻滅を感じた女性が、新しい出会いを求めて、死刑囚に会いに行き、恋に落ちる物語。
 *わずか15日で撮影された作品で、主人公にPark Ji-ah、その夫にハ・ジョンウ、死刑囚役にチャン・チェン。
 *関連サイト:http://www.cine21.com/Movies/Mov_Movie/movie_detail.php?s=media&id=21515
 http://www.twitchfilm.net/archives/009483.html
 [監督の3大映画祭との関わり] 98年『悪い女』がベルリンのパノラマ部門に出品、00年『魚と寝る女』がベネチアのコンペ部門に出品(NETPAC賞受賞)、01年『受取人不明』がベネチアのコンペ部門に出品、02年『悪い男』がベルリンのコンペ部門に出品、04年『サマリア』がベルリンのコンペ部門に出品、04年『うつせみ』がベネチアのコンペ部門に出品(監督賞、ヤング獅子賞、国際批評家連盟賞、SIGNIS Award - Honorable Mention受賞)、05年『弓』がカンヌのある視点部門に出品。カンヌのコンペ部門出品は初。

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 ・クリストフ・オノレ Christophe Honor “Les Chansons d'amour”(仏)100分
 [出演]ルイ・ガレル、リュディヴィーヌ・サニエ、クロチルド・エスメ
 [物語]1人の青年と2人の女性をめぐる恋愛ミュージカル。
 [監督の3大映画祭との関わり] 大きな国際映画祭への参加は初めて。


 ・クエンティン・タランティーノ “Death Proof”(“Grindhouse”)(米) 105分
 [出演]カート・ラッセル、ローズ・マクガヴァン、ゾエ・ベル
 [物語]B級ホラー映画2本立てへのオマージュ作品として、ロバート・ロドリゲスの“Planet Terror”と2本立てで企画された映画“Grindhouse”のタランティーノのパートで、殺人者が、銃とかナイフではなく、車を使って犠牲者を追いかけまわすという趣向の作品。元々は長編2本+架空の作品の予告編3本(それぞれロブ・ゾンビ、エリ・ロス、エドガー・ライトが監督)つきで上映するように作られていますが、カンヌではタランティーノのパートだけ切り離して上映するようです。
 *公式サイト:http://www.grindhousemovie.net/
 [監督の3大映画祭との関わり] 1994年に『パルプ・フィクション』をカンヌのコンペ部門に出品(パルムドール受賞)、98年にベルリンのコンペ部門に『ジャッキー・ブラウン』を出品。
 *日本でこの作品を買ったのはブロードバンド・スタジオ。配給は?

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 ・ウルリヒ・ザイドル “Import/Export”(オーストリア)136分
 [出演]マリア・ホフシュテッター、Petra Morzé、Ekaterina Rak
 [物語]西側で働きたいと考えているウクライナ人看護婦のオルガと、ウイーン出身で失業中の青年ポールの物語。
 *公式サイト:http://www.ulrichseidl.com/51Aktuelles/502_cannes.shtml
 [監督の3大映画祭との関わり] 2001年に『ドッグ・デイズ』をベネチアのコンペ部門に出品し、審査員特別賞を受賞。

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 ・アンドレイ・ズビャギンツェフ “Izgnanie(The Banishment)”(露)150分
 [出演]Maria Bonnevie、Aleksandr Baluyev、Konstantin Lavronenko
 [物語]詳細不詳。何らかの事情で都市を去ることになった男と妻と2人の子どもの物語であるようです。
 *予告編(You Tube):http://www.youtube.com/watch?v=d2YngCFu4j8
 [監督の3大映画祭との関わり] 前作『父帰る』が2003年のベネチアで、金獅子賞、'CinemAvvenire' Award、ルイジ・デ・ラウレンティス賞、SIGNIS Award、Sergio Trasatti Award受賞。

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 ・Carlos Reygadas “Luz silenciosa(Silent Light)”(メキシコ・仏) 162分
 [出演]Cornelio Wall、Miriam Toews、Maria Pankratz
 [物語]ホアンは、家族とともにメキシコ北部に住んでいる。しかし、ある女性と恋に落ち、家族を裏切るか、自分の心を犠牲にするかという選択を迫られる。
 [監督の3大映画祭との関わり] カンヌのコンペ部門出品は2005年の“Batalla en el cielo”に続いて2度目。2002年には“Japón”がカンヌでカメラドール特別賞を受賞している。

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 ・タル・ベーラ “The Man from London”(仏・独・ハンガリー・英)132分
 [出演]Erika Bók、János Derzsi、ティルダ・スウィントン
 [物語]Malionは、フェリー港そばにある鉄道の駅の転轍手だったが、偶然から港で取引に伴うトラブルから殺人が行われるのを目撃してしまう。
 [監督の3大映画祭との関わり] 1994年に『サタンタンゴ』がベルリンでカリガリ賞受賞、2000年に『ヴェルクマイスター・ハーモニー』がベルリンでReader Jury of the "Berliner Zeitung"受賞。1988年にカンヌのForeign Cineaste of the Year部門で“Kárhozat”がFrance Culture Award受賞。カンヌのコンペ部門出品は初。

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 ・イ・チャンドン “Milyang(Secret Sunshine)”(韓)150分
 [出演]ソン・ガンホ、チョン・ドヨン
 [物語]慶尚南道密陽を舞台に、夫と死別した後、ピアノ塾で子どもたちを教えながら女手ひとつで息子を育てている女性とカーセンターの社長をしている男性との恋物語。
 *文化部長官を離れたイ・チャンドンの、5年ぶりの新作。
 [監督の3大映画祭との関わり] 2002年『オアシス』がベネチアのコンペ部門で、監督賞、国際批評家連盟賞、SIGNIS Award受賞。カンヌのコンペ部門出品はこれが初。

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 ・河瀬直美 『殯(もがり)の森』“Mogari no mori”(仏・日)
 [出演]うだしげき、尾野真千子、渡辺真起子
 [物語]奈良県の山間に、軽度の認知症を患った人々が介護士とともに共同生活を行なっているグループホームがあった。そこで働いているしげきは妻と死別して以来、心を閉ざして、ある限度以上は他人を立ち入らせないようにしていた。そこへ福祉介護士として真千子がやってくる。彼女は子どもと亡くしたことでつらい思いをし、夫とも別れて、新たな人生を切り開こうとしていた。
 *公式サイト:http://www.mogarinomori.com/
 [監督の3大映画祭との関わり] 1997年にカンヌで『萌の朱雀』がカメラドール受賞、2003年に『沙羅双樹』がカンヌのコンペ部門出品。カンヌのコンペ部門出品はこれが2度目。
 *6月23日より、東京 渋谷シネマ・アンジェリカにて公開予定。配給=組画。

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 ・ウォン・カーウァイ “My Blueberry Nights”(香港・中国・仏)111分
 [出演]ノラ・ジョーンズ、ジュード・ロウ、ディヴィッド・ストラザーン、レイチェル・ワイズ、ティム・ロス、ナタリー・ポートマン
 [物語]アメリカを横断して自分探しの旅をしている女性エリザベス(ノラ・ジョーンズ)。旅の途中で彼女は様々な人と出会う。
 [監督の3大映画祭との関わり] カンヌのコンペ部門出品は4回目。1997年『恋する惑星』、2000年『花様年華』、2004年『2046』。2000年のベルリンには“Hua yang de nian hua”を短編コンペ部門に出品。
 *アスミック・エース配給で日本公開予定。

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 ・コーエン兄弟 “No Country for Old Men”(米)
 [出演]トミー・リー・ジョーンズ、ハビエル・バルデム、ジョシュ・ブローリン、ウディ・ハレルソン、ケリー・マクドナルド
 [物語]リオ・グランデ近くに隠された、いくつかの死体とヘロインと200万ドルあまりの現金がトラブルとバイオレンスを巻き起こす。
 [監督の3大映画祭との関わり] カンヌのコンペ部門出品は7回目。91年『バートン・フィンク』(パルムドール・監督賞受賞)、94年『未来は今』、96年『ファーゴ』(監督賞受賞)、00年『オー・ブラザー!』、01年『バーバー』(監督賞受賞)、04年『レディ・キラーズ』。ベルリンのコンペ部門では98年に『ビッグ・リボウスキ』を出品。
 *日本での配給はおそらくブエナ・ビスタ。

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 ・ガス・ヴァン・サント “Paranoid Park”(仏・米)85分
 [出演]ゲイブ・ネヴィンス、ダニエル・リウ、テイラー・モムセン、ジェイク・ミラー
 [物語]誤ってガードマンを殺害してしまった10代のスケーターの物語。
 [監督の3大映画祭との関わり] 91年ベネチアのコンペ部門に『マイ・プライベート・アイダホ』出品、ベルリンには、87年に“Five Ways to Kill Yourself”を短編コンペ部門に出品、90年に『ドラッグストア・カウボーイ』をForum of New Cinema部門に出品(CICAE Award受賞)、98年に『グッド・ウィル・ハンティング』をコンペ部門に出品、01年に『小説家を見つけたら』をコンペ部門に出品(Prize of the Guild of German Art House Cinemas受賞)。カンヌのコンペ部門出品は3度目で、03年に『エレファント』でパルムドール、監督賞、Cinema Prize of the French National Education System受賞、05年に『ラスト・デイズ』出品。

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 ・マルジャン・サトラピ、Vincent Paronnaud “Persepolis”(仏)95分
 [声の出演]カトリーヌ・ドヌーヴ、ジーナ・ローランズ、ダニエル・ダリュー、キアラ・マストロヤンニ
 [物語]マルジャン・サトラピ監督がテヘランでの自らの体験(イスラム革命時の体験)を描いた人気漫画を映画化したもの。アニメーション作品。
 [監督の3大映画祭との関わり] 全く初めて。

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 ・ジュリアン・シュナーベル “Le Scaphandre et le papillon”(仏・米)112分
 [出演]マチュー・アマルリック、エマニュエル・セニエ、マリー=ジョゼ・クローズ
 [物語]1995年に全身不随に陥った『ELLE』の編集長ジャン=ドミニク・ボービーが唯一動かせる左まぶたを使って、“書いた”闘病記『潜水服は蝶の夢を見る』の映画化。アルファベットの該当文字が来たらまたばきして知らせるという方法で、一字ずつ拾いながら130ページを書くのに20万回のまばたきを要したという。ジャン=ジャック・ベネックスによって、短篇ドキュメンタリー『潜水服と蝶』という作品にもなっている(1998年にフランス映画祭で上映された)。ジャン=ドミニク・ボービー自身は本が出た2日後に亡くなったとか。
 [監督の3大映画祭との関わり] ベネチアのコンペ部門には、96年『バスキア』出品、00年『夜になるまえに』(審査員特別賞、OCIC Award - Honorable Mention受賞)。カンヌのコンペ部門出品は初めて。
 *関連サイト:http://www.fr-dr.com/paris/archives/2006/12/05034610.php
 *公式サイト:http://www.pathedistribution.com/accueil/filmavenir.php?IDFilm=1704

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 ・Raphaël Nadjari “Tehilim”(仏・イスラエル・米)96分
 [出演]Michael Moshonov、Limor Goldstein、Shmuel Vilozni、Ilan Dar
 [物語]17歳のメナヘムはエルサレムに住む自由に憧れる少年。ある日、父が謎の失踪を遂げる……。
 *主演のMichael Moshonovは、俳優Mani Moshonovの息子で、Mani Moshonovは同じくコンペ部門に出品されている“We Own the Night”に出演していて、出演作を競うことになった。
 [監督の3大映画祭との関わり] 2004年のカンヌのFrench Cineaste of the Year部門に“Avanim”を出品(France Culture Award受賞)。コンペ部門出品は初めて。

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 ・カトリーヌ・ブレイヤ “Une vieille maîtresse”(仏)110分
 [出演]アーシア・アルジェント、ロキサーヌ・メスキダ、ヨランド・モロー、マイケル・ロンズデール
 [物語]1835年のパリ。フレア侯爵は自分の愛娘をリノ・ド・マリニーに嫁がせようとしていた。だが、彼は、公爵夫人と闘牛士の間に生まれ、今は高級娼婦をしている女性と10年も愛人関係を続けているのだった……。
 *一貫して女性の性を描き続けてきたカトリーヌ・ブレイヤの初めての歴史もの。
 [監督の3大映画祭との関わり] 『処女』が2001年にベルリンのコンペ部門に出品され、Manfred Salzgeber Award受賞、カンヌのFrench Cineaste of the Year部門に出品され、France Culture Award受賞。カンヌのコンペ部門出品は初めて。

 ・ジェイムズ・グレイ “We Own the Night”(米)
 [出演]ホアキン・フェニックス、マーク・ウォルバーグ、ロバート・デュヴァル、エヴァ・メンデス
 [物語]ニューヨークのナイトクラブでマネージャーを務める主人公が、ロシア・マフィアから命を狙われるハメになった兄と父を助けようとするという物語。
 [監督の3大映画祭との関わり] 1994年に『リトル・オデッサ』をベネチアのコンペ部門に出品、2000年にカンヌのコンペ部門に『裏切り者』出品。
 *公式サイト:http://www.lanuitnousappartient.com/
 *日本での配給はおそらくUIP。

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 ・ファティ・アキン “Yasamin kiyisinda(The Edge of Heaven)”(独・トルコ) 122分
 [出演]Nurgül Yeşilçay、Baki Davrak、Tunçel Kurtiz、ハンナ・シグラ
 [物語]6人の男女の許しと和解の物語で、ドイツとトルコを舞台とする。
 [監督の3大映画祭との関わり] 2004年『愛より強く』がベルリンのコンペ部門で金熊賞と国際批評家連盟賞受賞。カンヌのコンペ部門出品は初めて。

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 ・エミール・クストリツァ “Zavet(Promise Me This)”(仏)
 [出演]ジュリエット・ビノシュ、ミキ・マノイロヴィッチ、ハビエル・バルデム
 [物語]ベオグラード郊外。死の床についている老人には3つの願いがあった。それは孫が、町に出て、牛と聖像を売ってくることと、都会から嫁を連れて戻ってくることだった。一度も村から出たことのない孫にとって、その旅は、見るもの聞くものが未知もものばかりで、おっかなびっくりの旅となるのだった。
 [監督の3大映画祭との関わり] ベルリンのコンペ部門には93年に『アリゾナ・ドリーム』を出品(銀熊賞受賞)、ベネチアのコンペ部門には、81年に『ドリー・ベルを憶えてる?』で新人監督賞と国際批評家連盟賞受賞、98年に『黒猫・白猫』で銀獅子賞(監督賞)とヤング獅子賞とLaterna Magica賞を受賞。カンヌのコンペ部門は5度目で、85年の『パパは、出張中!』はパルムドールと国際批評家連盟賞受賞、88年『ジプシーのとき』は監督賞受賞、95年『アンダーグラウンド』はパルムドール、04年『ライフ・イズ・ミラクル』はCinema Prize of the French National Education System受賞。

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 ・デイヴィッド・フィンチャー 『ゾディアック』“Zodiac”(米)157分
 [出演]ジェイク・ギレンホール、マーク・ラファロ、アンソニー・エドワーズ、ロバート・ダウニーJr.
 [物語]実在した連続殺人鬼ゾディアック。謎めいた暗号とメッセージで世間を挑発するゾディアックに挑み、人生を破滅させていった3人の男たち。
 現在もまだ未解決のままとなっている連続殺人事件を実際の捜査に関わり、原作本も出版したロバート・グレイスミスの協力を得て、デイヴィッド・フィンチャーが映画化。
 [監督の3大映画祭との関わり] 初めて。
 *公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/zodiac/
 *6月16日より、ワーナー・ブラザーズ映画配給で丸の内プラゼールほかにて全国ロードショー

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 ◆今年のラインナップについて

 <パリ市内で開かれた記者会見で、運営代表者ジル・ヤコブ(Giles Jacob)氏は「記念すべき年ということで、文化的伝統と現代性、そして大御所と若手を融合させるラインナップにした」とコメント>したと伝えられていますが、巨匠の作品に新人や新人に近い映画作家の作品を取り混ぜてラインナップを組むのは例年通りなので、別に珍しくもなんともありませんが、今年は第60回という記念の年でありながら、ラインナップ的に弱い感じが否めません。

 深いドラマ性、高度な社会性、現代社会を鋭く切り取ったジャーナリスト感覚、強い作家性、そして大いなる感動、……。カンヌ出品作にはどうしてもそういうものを期待してしまうのですが、今年のラインアップはプロットを読んでも、あまりそういう作品が見当たらないんですよね。

 そう感じる理由は、確かにあって、スリラー、サスペンス、バイオレンス、ホラー、ミュージカルとジャンル映画が多いんですね。1990年『ワイルド・アット・ハート』や1991年の『バートン・フィンク』、1994年の『パルプ・フィクション』など、そうしたジャンル映画がパルムドールを受賞することもありますが、稀なことに変わりはありません。

 今年のラインナップには巨匠と言えるのが、エミール・クストリッツァくらいしかいないのもちょっと物足りなさを感じる原因で、クエンティン・タランティーノ、ウォン・カーウァイ、コーエン兄弟、ガス・ヴァン・サント、デイヴィッド・フィンチャーなどもいますが、彼らはベテランではあっても巨匠ではなく、せいぜいで「人気映画監督」っていう感じですよね。

 今回のコンペティション参加監督22人のうち、経験者は9人(ソクーロフ、タランティーノ、Reygadas、河瀬、カーウァイ、コーエン兄弟、サント、グレイ、クストリッツァ)。ちなみに昨年は経験者が8人だったので、割合的にはそんなに変わりません。
 コンペ経験者9人のうちパルムドール経験者が、タランティーノ、コーエン兄弟、サント、クストリッツァの4人で、クストリッツァのみ2度受賞。監督賞受賞経験者は3人いて、コーエン兄弟(3回!)、サント、クストリッッア。

 今年は、アメリカ映画が多いのも特徴の1つで、純粋なアメリカ映画が、タランティーノ、コーエン兄弟、グレイ、フィンチャーの4作品、合作作品が3作品あります。合わせて7作品というのは、昨年の4作品と比べても明らかに多くて、そのおかげで、イギリス映画、イタリア映画、中国映画、台湾映画、アフリカ映画がわりを食って、今年は1本もエントリーされていません(ただし、カーウァイの作品は中国との合作)。
 アメリカ映画を大量にラインナップに入れるのと引き換えに、フランス映画も大量に入れられていて、国産映画が4作品、合作映画が7作品もあります(昨年はそれぞれ3作品ずつでした)。
 どうみてもバランスが悪いですね。

 来年の米国アカデミー賞の賞レースはここから始まるので、この中から何作品か、そして何人かは確実にノミネートされるだろうと思われます(確率が高いのは、監督賞と外国語映画賞)。

 今年は久々にアニメ作品が入っているのも特徴で、ベネチアだと普通なのですが、カンヌだとものすごく久々のはずです。ベネチア同様、娯楽性を高めたということなのでしょうか。

 例年だとそれぞれの作品のプロットを読むだけで、今年のカンヌの傾向性が見えてきたりするのですが、今年はジャンル映画が多いこともあって、はっきりとしたテーマはほとんど見えてきません。あえて言えば、いくつかの作品が「家族の絆」をテーマにしているらしいことでしょうか。

 この中から日本で上映されそうな作品は、今年はアメリカ映画が多いこともあって、多そうで、15〜16作品が劇場ならびに映画祭等で上映されそうです。既に劇場公開が決定しているものが5作品、初日まで決まっている作品が2作品もあります。
 ちなみに、昨年のラインナップの中から既に日本で上映された作品は6作品(うち映画祭での上映作品が2作品)あり、あと3作品が劇場公開予定になっています。

 事前にコンペティション部門を予想しているサイトがありました。私もやってみたかったのですが、とてもじゃありませんが、ここまでの精度では当てられそうにはありませんでしたね〜。AFP BB News:http://www.afpbb.com/article/1491169

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 ◆コンペティションの結果予想

 ・監督賞
 監督賞は、作品の大きさとかには関係なく、演出の手腕のみが評価される賞で、割りとあげやすく、ソクーロフ、ギドク、ザイドル、ズギャギンツェフ、チャンドン、河瀬、サント、シュナーベル、アキン、クストリッツァの誰でもいい感じでしょうか。

 ・男優賞
 ジュリアン・シュナーベル “Le Scaphandre et le papillon”のマチュー・アマルリックが最有力でしょう。役柄の面白さ、作品に果たす役割を考えると彼しかいないと言っていいほどです。

 ・女優賞
 ソクーロフ“Alexandra”のアレクサンドラ役のおばあさん、キム・ギドク『息』のPark Ji-ah、イ・チャンドン“Milyang”のチョン・ドヨン、河瀬直美『殯(もがり)の森』の尾野真千子の4人のうちのいずれか。

 ・パルムドール
 隔年ごとにわりと小さな作品がパルムドールを受賞する傾向があるように思うのですが、今年もそうなる予感がします。
 審査員の顔ぶれも賞の行方を大きく左右するのですが、今年の顔ぶれからすると、作品は小さくても、ドラマ性が強くて、感動できる作品が選ばれる、という感じでしょうか。
 順当な予想では、クストリッツァの“Zavet”ですが、順当すぎて面白みに欠けます。
 でもやっぱり他にそれらしい作品は見当たらないので本命は“Zavet”、対抗はジュリアン・シュナーベル “Le Scaphandre et le papillon”とイ・チャンドン“Milyang”でしょうか。大穴でキク・ギドク『息』ですが、まあ、ないでしょうね(笑)。

 ・グランプリ
 パルムドールは、ほとんど実績のない監督が獲ることはありませんが、グランプリにはそうした作品も視野に入ってきます。
 上のパルムドールに漏れた作品、および、Mungiu、Reygadas、Nadjariあたりも狙い目かと思われます。

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
こんにちは。いつもながら詳細な紹介記事をありがとうございます!
いよいよ開幕ですね。パルムドールの行方はいかに?
期待作はたくさんありますが、特にイ・チャンドン先生の新作が楽しみです。
日本での公開予定も気になりますね。
ではでは。
真紅
URL
2007/05/15 23:22
真紅さま
コメントありがとうございました。
イ・チャンドンの作品はプロットだけ読むと普通のラブ・ストーリーにしか思えないのですが、監督が監督なだけに単なるラブ・ストーリーでは終わっていませんよね、きっと。楽しみです。
umikarahajimaru
2007/05/15 23:57
はじめまして。
私もカンヌ映画祭を毎年楽しみにしています。
ところでParanoid Parkは
ワイズポリシー配給ではないと思います。
ワイズポリシー配給の
ガス・ヴァン・サント作品は
同監督の旧作Mala Nocheかと。
cha
2007/05/18 22:25
chaさま
コメントありがとうございました。
ワイズポリシーがガス・ヴァン・サントの作品を買ったと聞いていたので、てっきり新作だとばかり思っていたんですが、1985年の旧作だったんですね。失礼いたしました。取り急ぎ、訂正させていただきました。
umikarahajimaru
2007/05/19 02:28

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