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zoom RSS スピード感が凄い! 『飲みすぎた一杯』 ブジェチスラフ・ポヤル

<<   作成日時 : 2007/04/17 01:06   >>

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 人形アニメでもこんなにスピード感が示せるんだというお手本のような作品。

 前半
 

 後半
 

 心優しい青年がバイクで、出かけ、途中に寄ったレストランで、若いカップルの結婚式に遭遇し、勧められるままにお酒を飲んでしまい、その帰り道で事故死してしまう、という物語。
 青年がバイクを飛ばしていくそのスピード感とダイナミズムが凄く、道路脇の樹が、ガードレールが、飛ぶように流れる。道路に線路が近づいてきては、列車と競争し、道路が線路の下をくぐってまた別れゆく。
 前半は、陽の下を走り、後半は夜の道を走る。
 技術もアイデアも素晴らしく、人形アニメでこんなこともできるんだという、驚きの面白さ!

 この作品は、ブジェチスラフ・ポヤルの監督第2作で、アート・ディレクションをイジー・トルンカが担当しています。日本では<チェコアニメ映画祭2000>で劇場公開されました。

 私が、この作品を観たのは、<チェコアニメ映画祭2000>以来だったのですが、当時この作品には、「バイクででかけた青年が自分の好きだった女性の結婚式に偶然出くわして、お酒を飲んだあげく、帰りに事故を起こしてしまう」という説明のされ方がしてあったのですが、今観てみると、結婚式の花嫁と青年のガールフレンドとは別人で、「花嫁を見て、青年が自分のガールフレンドの写真を取り出して結婚式の客に見せている」のがわかります。ラストで、青年の事故死後、ガールフレンドの写真が虚しく風に飛ばされるわけですが、「片想いしていた彼女の写真」というのと「つきあっていたガールフレンドの写真」とでは、大分ニュアンスが違ってきますよね。

 <チェコアニメ映画祭2000>で上映したバージョンは、ナレーションは入っていなかった(映像と音楽のみで見せる作品だった)様な気がするんですが、上にアップした動画では、英語によるナレーションが入っています。英語圏向けによりわかりやすくするために新たにナレーションが入れられたのでしょうか。後半部分の夜のパートは画像が暗いのでちょっとわかりにくいのですが、ストーリーはナレーションがなくても普通にわかりますよね。

画像

 ◆作品データ
 1953年/チェコスロバキア/18分40秒(公式)
 英語台詞あり/字幕なし
 パペット・アニメーション

 * 『世界と日本のアニメーションベスト150』(ふゅーじょんぷろだくと)で155位(ポヤル作品では最上位!)にランクインしています。

 *この作品は、DVD『チェコアニメ傑作選1』に収録されています。

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 ◆監督について
 ボジェチスラフ・ポヤル
 人形アニメーションとセル画によるストップ・モーション・アニメーションの両方を手がける。ドキュメンタリー映画や舞台美術、ステージ演出も行なう。
 1923年 チェコスロバキア ボヘミア南部のスシツェ生まれ。
 高校卒業後、AFIT(アトリエ・フィルム・トリク(トリック映画アトリエ))で働き、ナチス侵攻後は、ナチスの技術学校で製図を引く。
 戦後トリック・スタジオ・ブラザーズに入る。
 1946〜59年 イジー・トルンカのアニメーターを務める(トルンカ自身は、監督・脚本・人形制作・コスチュームデザイン等はしてもアニメーターの仕事はしなかった)。トルンカともどもアニメーションの作り方を知らない時代で、手探り状態でのスタートだったという。
 1951年に『魔法の森のお菓子の家』で監督デビュー。
 1959年 トルンカの元を離れた後、プラハで2つ目の人形アニメ・スタジオ(スタジオ・ドゥヴェ、または、スタジオ・ヌスレ)を設立。ここで制作した『ライオンと歌』がアヌシー国際アニメーションフェスティバル グランプリを受賞する。
 1960年代半ば以降カナダと行き来しながら、NFBと協力して作品を制作。その初期に制作した『見えるか見えないか(幻想学)』が、ベルリン国際映画祭短編映画部門金熊賞受賞ほか高い評価を受ける。
 1990年 FAMU(チェコ国立芸術アカデミー映画学部)の教授となる。

 ・1951年 『魔法の森のお菓子の家』 “Perníková chaloupka”
 ・1953年 『飲みすぎた一杯』 “O skleničku víc”
 ・1955年 『探偵シュペイブル』 “Spejbl na stopě”
 ・1957年 『小さな傘(おもちゃのサーカス)』 “Paraplíčko”
 ・1959年 『ライオンと歌』 “Lev a písnička” *アヌシー国際アニメーションフェスティバル グランプリ受賞
 ・1959年 『爆弾マニア』 “Bombománie”
 ・1959年 『アパートに家具を備えるには』 “Jak si zařídit byt”
 ・1959年 『栄光』 “Sláva”
 ・1960年 『真夜中のできごと』 “Půlnoční příhoda”
 ・1960年 『猫の言葉』 “Kočičí slovo”
 ・1960年 『猫のために絵を描いて』 “Malování pro kočku”
 ・1961年 『猫の学校』 “Kočičí škola”
 ・1961年 『八つ当たり』 “Biliár”
 ・1962年 『雄弁家』 “Úvodní slovo pronese”
 ・1963年 『ロマンス』 “Romance”
 ・1964年 『理想』 “Ideál”
 ・1965–73年 『ぼくらと遊ぼう!』 “Pojďte, pane, budeme si hrát! ”
 ・1965年 「ぼくらと遊ぼう! 出会いの話」 "Potkali se u Kolína"
 ・1965年 「ぼくらと遊ぼう! 水辺の話」 "Jak jeli k vodě"
 ・1965年 「ぼくらと遊ぼう! お魚の話」 "K princeznám se nečuchá"
 ・1966年 「ぼくらと遊ぼう! おかゆの話」 "Jak jedli vtipnou kaši"
 ・1966年 「ぼくらと遊ぼう! 帽子の話」 "Držte si klobouk"
 ・1967年 「ぼくらと遊ぼう! 冬眠の話」 "Jak šli spát"
 ・1968年 『小さな道化師』 “Fanfarón, malý klaun”
 ・1969年 『見えるか見えないか(幻想学)』 “Ilusologie | Psychocratie” *カナディアン・フィルム・オブ・ザ・イヤー受賞、ベルリン国際映画祭短編映画部門金熊賞受賞
 ・1969年 『虫が思いもしなかったこと (ミミズが思いもしなかったこと、あるいは、ダーウィンアンチダーウィン) 』“Co žižala netušila”
 ・1970年 「ぼくらと遊ぼう! セイウチの話」 "Co to bouchlo?"
 ・1971年 「ぼくらと遊ぼう! 犬の話」 "Psí kusy"
 ・1971年 「ぼくらと遊ぼう! ヒョウの話」 "O pardálu, který voněl"
 ・1972年 「ぼくらと遊ぼう! ビーバーの話」 "A neříkej mi Vašíku"
 ・1973年 「ぼくらと遊ぼう! カブの話」 "Nazdar kedlubny"
 ・1973年 『バラブロック(丸・四角)』 “Balablok” *カナダ映画祭 最優秀短編映画賞受賞、カンヌ国際映画祭短編映画部門パルムドール受賞
 ・1974年 『りんごの木のお姫さま(りんごの乙女)』 “Jabloňová panna”
 ・1974–77年 『ふしぎな庭(庭)』 “Zahrada”
 ・1974年 「ふしぎな庭 動物愛好家」 "Milovník zvířat"
 ・1975年 「ふしぎな庭 深い霧の話」 "O té velké mlze"
 ・1976年 「ふしぎな庭 虎をどうやって捕まえるか」 "Jak ulovit tygra"
 ・1977年 「ふしぎな庭 銀紙の中のネズミの話」 "O myších ve staniolu"
 ・1977年 「ふしぎな庭 クジラのアビルレフ」 "Velryba Abyrlev"
 ・1977–79年 『ダーシェンカ』 “Dášeňka”
 ・1979年 『犬を飼う理由』 “Proč má člověk psa”
 ・1979年 『ブーム!』 “Bum” *カナダ映画祭 審査員賞受賞、カンヌ国際映画祭短編映画部門審査員賞受賞
 ・1981年 『もしも… 』“Kdyby”
 ・1982年 “E” * ベルリン国際映画祭Forum of New Cinema にてInterfilm Award - Otto Dibelius Film Award受賞、クラクフ映画祭銀賞&国際批評家連盟賞受賞
 ・1986年 『ナイトエンジェル』 “Romance z temnot” *LA映画批評家連盟賞 World Animation Celebration受賞
 ・1988年 『一歩から進歩へ』 “Od kroku k pokroku”
 ・1990年 『蝶のとき(フライング・スニーカー)』 “The Butterflies Time [Motýlí čas] (The Flying Sneaker)”
 ・1993年 『ねずみ学』 “Mouseology”
 ・1994年 『なぜ?』 “Pourquoi?(Why?)”
 ・1996年 『麻酔ブルース』 “Narco Blues”
 ・2003年 連句アニメーション『冬の日』の「ニの尼に近衛の花の盛り聞く 蝶はむぐらにとばかり鼻かむ」を担当
 ・2006年 “Fimfárum 2” (2006) * AniFest (チェコ): Best Feature-Length Film Award受賞

 *1985年 広島国際アニメーションフェスティバルに審査員として来日し、その時に特集上映もされました。

 *劇場公開は<チェコアニメ映画祭2000>の時で、『飲みすぎた一杯』『ライオンと歌』『探偵シュペイブル』『雄弁家』『ロマンス』『ぼくらと遊ぼう』(「冬眠の話」「ヒョウの話」「ビーバーの話」「カブの話」)『ナイトエンジャル』が上映されました。

 *参考書籍
 ・『夜想35 チェコの魔術芸術』(1999年 ペヨトル工房)
 ・『チェコアニメ新世代』(2002年 エスクァイア マガジン ジャパン)

 *参考サイト:http://homepage1.nifty.com/gon2/cartoon/cartoon14.html

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