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zoom RSS 映画『悪夢探偵』を探偵する!

<<   作成日時 : 2007/02/22 07:31   >>

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画像 『HAZE』もロードショー時に観る機会を逃したまま、依然として観れないでいるので、これもスルーしてしまおうかなとも思ったんですが、観てよかった! いや〜、面白いじゃないですか、『悪夢探偵』。

 物語の構造自体は、『リング』や『着信アリ』とそう変わらないものだし、いろいろ曖昧にぼかされている部分、わからない部分、成功しているのか失敗しているのか判断がつかない部分もあり、また、エポックメイキングないくつかの作品のエッセンスを寄せ集めたような作品でもありながら、やはり面白いのは、見せ方にオリジナリティーとパワーが感じられるのと、一個の作品としてのまとめ上げ方のうまさでしょうか。

 この作品に関する解釈や感想は、後回しにして、まずは、この映画とその周辺についていろいろ調べてみたことを書き出してみたいと思います。

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 ◆キャスト(主要キャスト以外)

 ◇猪俣ユキ(自殺志願の娘):http://www.stardust.co.jp/talent/64.html
 1982年 福岡生まれ。
 15才でスカウトされて上京し、CMやドラマに出演。その後、高校卒業記念に短編映画を作った、ということなんですが、そこで映画制作の面白さに目覚めたらしく、2003年以降、映画『17才』を企画・製作し、その後、『Nathalie』『ナオと僕』『MILD7』『Wendesday』『スロウマップ』『ユモレスク〜逆さまの蝶〜』と立て続けに監督作品(短編)を発表しています。スターダスト・プロモーション所属の女優にしては、かなり異色・異才ですね。

画像

 最初の映画出演は、塚本晋也の『双生児』(1999)らしく、ひょっとするとこの現場(高校在学中)が彼女に「映画作りって面白そう」と思わせたのかもしれません。塚本作品は2度目の出演。

 ◇村木仁(自殺志願の中年男性):http://www.sting-co.jp/muraki/main.html
 HPには『悪夢探偵』についての言及はタイトル告知しかありませんが、プロフィールにある、「早稲田大学第二文学部入学、演劇に夢中になり中退。親を泣かせる」「ガサツな男料理が得意」「特技:タップダンス、南京玉すだれ、傘まわし、野球の審判」といった紹介文や、添えられた写真が笑わせてくれます。

 ◇ふせえり(自殺志願の中年男性 の妻):http://www.p-jinriki.com/riki/talentpage/huse.html
 HPは長らく更新されていないようです。
 彼女のことは、確かに見た憶えはあったのですが、名前と一致はしていませんでした(笑)。ビシバシステムの方だったんですね。

 『悪夢探偵』では、メインのキャスト以外は、ふせえりさんのように、劇団系の方を中心にキャスティングしてあるようです(演技を安心して見ていられるから?)。

 ◇金守珍(刑事(課長)):http://www5a.biglobe.ne.jp/~s-ryo/yakusya/kim.html
 新宿梁山泊の代表。塚本作品は『鉄男U』に続いて2度目。
 『悪夢探偵』は、実は、たくさんの映画監督経験者で作られている作品で、上の猪俣さんもそうですが、この金守珍さんも『夜を賭けて』で監督デビューされています。映画監督経験者を俳優として使うということにやりづらさを感じる人もいるかもしれないんですが、塚本監督は自らも俳優として活躍されてるし、同じフィルムメイカーとして同士意識があり、信頼し合ってるんですね、きっと。
 霧島慶子(hitomi)の父親役の利重剛さんももちろん監督経験者ですし(塚本作品は『ヴィタール』に続いて2度目)、“地味な男”役の鈴木卓爾さんも監督経験者です(塚本作品は『六月の蛇』に続いて2度目)。

 ◇津田恵一(小宮・霧島慶子に影沼京一を紹介する刑事の役)
 1948年 東京生まれ。
 劇団前進座 所属の俳優さんらしく、前進座の映画放送部のブログ「撮影日記」に“出演記”があります。これによると、津田さんは、塚本監督からの出演依頼があるまで、塚本監督のことも作品も全く知らなかったそうです。
 『悪夢探偵』出演記@:http://eigahousoubu.cocolog-nifty.com/blog/2006/07/post_b239.html
 『悪夢探偵』出演記A:http://eigahousoubu.cocolog-nifty.com/blog/2006/10/post_2959.html
 『悪夢探偵』出演記B:http://eigahousoubu.cocolog-nifty.com/blog/2007/01/post_ec51.html

 刑事1〜4は、意識的に、刑事役としていろんなタイプの男性を揃えたようです。

 ◇コビヤマ洋一(刑事1) 新宿梁山泊の劇団員で、課長役の金守珍とは普段から上下関係にある。http://www5a.biglobe.ne.jp/~s-ryo/yakusya/kobuyama.html

 ◇飯田茂年(刑事2) セクシー系の作品を中心に活躍されている方のようです。

 ◇塚本耕司(刑事3) 『東京フィスト』『双生児』以来の塚本作品の出演。監督の実弟ではありますが、プロフィール等には意図的にそのことは省かれているようです。http://www.creemintl.co.jp/indivisual_tsukamoto.htm

 ◇市野世龍(刑事4) 実はこの映画を製作したムービーアイ専属の俳優。ムービーアイ・サイドから是非使って欲しいという依頼があったかどうかは不明ですが……。http://www.movie-eye.com/artist/2006/07/post_1.html#more

 ◇黒沼弘巳(大石恵三(原田芳雄)の長男) この方も新宿梁山泊の俳優さんのようです。塚本作品へは『バレット・バレエ』に続いて2度目の出演。http://www.weblio.jp/content/%E9%BB%92%E6%B2%BC%E5%BC%98%E5%B7%B3
 「黒沼-劇場」(http://kuro.zeicompany.co.jp/)という動画サイトを運営されているようです。

 ◇康すおん(かんすおん)(大石恵三(原田芳雄)の次男) 個性派俳優さんのようです。塚本作品へは『ヴィタール』に続いて2度目の出演。http://www.allcinema.net/prog/show_p.php?num_p=469771

 ◇宇野祥平(大石恵三(原田芳雄)の三男)  塚本作品へは『ヴィタール』に続いて2度目の出演。http://movie.goo.ne.jp/cast/155114/index.html
 「裏湘南瓦屋根物語」というブログ(http://blog.livedoor.jp/hazy_jane/)に時々書き込みされたりもしているようです。

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 ◆制作スタッフ

 インディーズから出発した監督は、作品の規模が大きくなると、演出に専念して、そのほかの技術パートを“その道のプロ”に任せるものですが、塚本晋也は一貫して、脚本、美術、撮影、編集を監督自らが担当して、作品に一体感やオリジナリティーを生み出させています。
 ほとんど監督自らが手がける部分が多いとはいうものの、塚本晋也の考えを把握し、彼の望む作品世界を構築するために集まってくる常連のスタッフもいます。

 最初から専門技術を身につけて作品に参加するスタッフもいますが、映画や塚本作品に憧れて塚本組のスタッフとなり、専門のパートを担うことになっていった人もいるようです。

 全員が60年代後半以降の生まれ。若〜い! このくらいでないと、塚本ワールドについていけないのかもしれませんね。

 ◇黒木久勝(共同脚本・助監督)
 1973年 大阪生まれ。
 『東京フィスト』から塚本作品に参加(美術)。以降の塚本作品で助監督を務める。

 塚本晋也は、これまで自作の脚本をすべて単独で書いてきましたが、本作ではじめて他人と組んで脚本作りをしました。パートナーに選んだのが、これまでの3本の長編作品で助監督を務めた黒木久勝。
 『悪夢探偵』は、これまでの作品よりも予算も大きいらしく、より多くの観客を動員することを狙って、監督以外の視点も取り入れた脚本作りをした、というのが共同脚本にした理由のようです。

 ・フィルモグラフィー
 ・1995年 『東京フィスト』[美術]
 ・1998年 『バレット・バレエ』[助監督]
 ・2002年 『六月の蛇』[助監督]
 ・2004年 『ヴィタール』[助監督]
 ・2006年 『悪夢探偵』[共同脚本・助監督]

 ◇志田貴之(撮影)
 塚本作品の特徴には、手持ちカメラによる撮影、作品に人工的で独特のタッチとニュアンスを与えるフィルター、抑えた色彩構成&コントロール、コマ落とし的なパート、……などがあると思いますが、撮影監督が担当する部分としては、やはり、観るものの現実感覚を狂わせ、酔わせ、めまいにも似た感覚を引き起こさせる手持ちカメラ、ということになるでしょうか。

 自分の監督作品は自分で撮影監督をも務めるのが塚本晋也のやり方ですが、2000年の『バレット・バレエ』あたりから、自分の出演している作品には、もう1人撮影監督を加えるようになってきています。『バレット・バレエ』のみ天満眞也という人(本作ではスチールを担当)が撮影(共同)を担当していますが、『六月の蛇』以降は志田貴之が担当して、塚本ワールドを支えています。
 塚本作品では、やはり塚本晋也あっての志田貴之なのですが、徐々にひとり立ちしつつあるようです。

 1972年 福井生まれ。大学在学中から塚本晋也の主宰する海獣シアターに参加。
 CM、PVなどの撮影も手がけると劇場パンフのプロフィールにはありますが、検索してヒットする情報はありませんでした。

 ・フィルモグラフィー
 ・1995年 『東京フィスト』[撮影助手]
 ・1998年 『バレット・バレエ』[撮影助手]
 ・2002年 『六月の蛇』[撮影]
 ・2004年 『トニー滝谷』[撮影助手]
 ・2004年 『ヴィタール』[撮影]
 ・2004年 『蝶々』[撮影]:http://www.tamaeiga.org/modules/tinyd1/rewrite/15th/4-25.html
 ・2005年 『HAZE』[撮影]
 ・2005年 「Doco?」(『君のもとへかける虹』(UHB))[撮影]:http://uhb.jp/program/official/kiminiji/back.html
 ・2006年 「プリーズ、ウェイク・アップ」(『ハヴァ、ナイスデー』)[撮影]:http://tan-pen.jp/blog/2006/02/post_12.html
 ・2006年 『悪夢探偵』[撮影]
 ・2006年 『蹉跌』[撮影]:http://www8.wind.ne.jp/isama-cinema/isama2006/isama20061126wakate.htm
 ・2006年 『ブラジル』[監督]

 ◇吉田恵輔(照明)
 1975年 埼玉生まれ。1996年より塚本作品に参加。

 塚本作品で誰が照明を担当していたのかは(ネット上で見られるような)スタッフのクレジットにはほとんど記されていないので、ちょっとわかりません(ビデオを観ればもちろんわかるのでしょうが)。『バレット・バレエ』を塚本自身が担当したというのはされているのですが、それ以前もやはり監督自身が照明も手がけていたのでしょうか。

 吉田恵輔は、「1996年より塚本作品に参加」とありますから、プロの照明技師ではなかったはずですが、クレジット上では2002年の『六月の蛇』から「照明」を担当しています。

 塚本作品以外でも、CMやPVでも照明を担当しているということですが、これについては具体的な作品を知るところまでは至りませんでした。

 ・フィルモグラフィー
 ・2002年 『六月の蛇』[照明]
 ・2004年 『ヴィタール』[照明]
 ・2005年 「玉虫」(『female』) [照明]
 ・2005年 『HAZE』[照明]
 ・2005年 『なま夏』[監督]:http://img.movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD36756/comment.html
 ・2006年 『悪夢探偵』[照明]
 ・2006年 『机のなかみ』[監督] 2007年4月21日よりテアトル新宿にてレイトショー:http://www.cinemabox.com/schedule/shinjuku/soon.shtml

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 ・2006年 「闇」(『BLACK NIGHT』) [照明]

 ◇石川忠(音楽)
 石川忠:http://www.atom.co.jp/classic/UNSOUND/Actual/Sound/UnpopOffice/Artists/Ishikawa/
 DER EISENPOST:http://www.dereisenrost.com/
 1966年 神奈川生まれ。
 1988年に塚本晋也と出会い、以降のほとんどすべての塚本作品(『ヒルコ 妖怪ハンター』以外?)の音楽を担当し、塚本作品を聴覚から印象づけている。

 正直なところ、塚本作品で、これまであまり「映画音楽」を意識したことはなかったんですが、ノイズ系というか、パンク系というか、意識させないまでに塚本作品と一体になっているアレが石川氏の作品だったんですね〜。公式サイトを覗いて、そして聴いて、ようやく思い至ることができました。

 ・フィルモグラフィー
 ・1989年 『鉄男』
 ・1992年 『鉄男U』
 ・1995年 『東京フィスト』
 ・1996年 『極道戦国史 不動』
 ・1997年 『野獣死すべし』
 ・1997年 『野獣死すべし 復讐篇』
 ・1998年 『バレット・バレエ』
 ・1999年 『双生児』 *シッチェス・カタロニア国際映画祭音楽賞受賞
 ・2000年 『DEAD OR ALIVE 逃亡者』
 ・2002年 『六月の蛇』
 ・2004年 『ヴィタール』
 ・2005年 「玉虫」(『female』)
 ・2005年 『HAZE』
 ・2006年 『悪夢探偵』

 ◇北田雅也(音響効果)
 1968年 東京生まれ。『六月の蛇』以降のすべての塚本作品に関わる。
 『呪怨』や『サイレン』『叫(さけび)』などホラー系、スリラー系の作品も手がけていますが、『ハウルの動く城』『隠し剣 鬼の爪』『パッチギ!』『ゆれる』『それでもボクはやってない』など実に様々な作品を手がけていて、塚本作品はそのほんの一部ということになるようです。キネマ旬報DB(http://www.walkerplus.com/movie/kinejun/index.cgi?ctl=by_name&id=135062)は、比較的に彼のフィルモグラフィーを押さえている方ですが、それでもかなりの取りこぼしがあります。担当作品があまりにも多いので、ここではすべてを書き出すことはしませんが。
 映画『サイレン』の時に堤幸彦監督が自身のブログに書いた彼のサウンド・デザインについての記事があります:http://www.siren-movie.com/08sound/main.html

 ◇岩ア浩子(衣裳)
 1969年 北海道生まれ。文化服装学院在学中に『鉄男U』の衣裳を担当。
 以降、『東京フィスト』『バレット・バレエ』『六月の蛇』『ヴィタール』の衣裳を担当。
 舞台やアーティスト、タレントの衣裳も担当ということなんですが、詳細はわかりませんでした。
 個人的には、本作のhitomiのスーツとかはよかったんですが、衣裳のポイントとなるはずの、影沼京一のマントや赤い服の少女の赤い服は作品から浮いてしまってる気がしましたね。

 ◇織田尚(特殊造形)
 1968年 広島生まれ。
 高校卒業後、上京し、特殊メイクアップ・アーティスト仁瓶まゆみに師事。
 『鉄男U』『ヒルコ 妖怪ハンター』を機に独立。
 特殊メイク&造形工房 瀬戸内プロ(http://www001.upp.so-net.ne.jp/setouchi/)を立ち上げる。
 本作での担当部分についてはサイトでも説明はありませんでしたが、血のり、傷跡、内臓、死体などでしょうか。

 ◇岡野正広(VFXプロデューサー・GONZO REVOLUTIONのスタッフ)
 1966年 大阪生まれ。
 スクリーミングマッドジョージに師事。『アビス』に参加。
 米米クラブの衣裳を担当。
 特殊造形担当作品に、『帝都大戦』『ゴジラVSビオランテ』『ゴジラVSキングギドラ』『富江 最終章』『マッスルヒート』『HINOKIO』『亀は意外と速く泳ぐ』『天使』
 *GONZO REVOLUTIONの公式サイト:http://www.gonrevo.jp/
 *GONZO REVOLUTION プレジデントの村濱章司のブログ:http://blog.murahama.jp/
 とりたてて深くは関わっていないのか、特に『悪夢探偵』に触れた部分はありませんでした。

 ◇ナブラ(CG制作)http://www.nabla.co.jp/

 ◆宣伝関係スタッフ

 ◇津田輝王(タイトル)
 担当作品は、『宇宙貨物船レムナント6』『ガメラ3 邪神(イリス)覚醒』『守ってあげたい!』『アナザヘヴン』『独立少年合唱団』『非・バランス』『明日があるさ THE MOVIE』『味』『ホストタウン』『誰も知らない』『バレット・バレエ』『ヴィタール』『SCORE』『SCORE2』『リング2』『帰郷』『折り梅』『座頭市』『ツヒノスミカ』など。

 ◇タイクーングラフィックス(グラフィック・デザイン)http://www.tycoon.jp/index.html
 映画の宣伝アートワークでは、『SF サムライ・フィクション』や『真夜中の弥次さん喜多さん』などを担当しています。
 ホームページはまだトップページしかできていません。

 ◇tsuji management(ポスター&パンフレット・スチール)http://www.tsujimanagement.com/top.html
 ホームページ開設準備中。

 ◇ガル・エンタープライズ(予告編制作)http://www.galenterprise.co.jp/
 WORK(手がけた作品のリスト)がランダムで、しかも『悪夢探偵』についての記載なし。DIARY等更新されておらず……。

 ◇cafegroove(公式HP制作):http://www.cafegroove.com/

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 ◆ロケ地

 ・京一の家〜代官山 東光園アパート:http://www.apartment-photo.gr.jp/text204.html
 エンドロールには「東光園アパート」とあって、その後に個人名がありますが、管理人さんか何かのようです。

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 ・警察署〜群馬県庁昭和庁舎:http://home.u07.itscom.net/nardo/gumma/12155_01.html

 ・水中撮影がなされたのは、エンドロールからすると、おそらく小金井市にあるシャトーアスレチッククラブ(http://www.h7.dion.ne.jp/~chateau/)で、指導に当たったのは、マリンロード(http://www.marine-road.com/)だろうと思われます。

 ・映画を観ると歩道橋がとても印象に残りますが、エンドロールから推察すれば、千葉、横浜(http://www.welcome.city.yokohama.jp/film/info.html)、佐原市香取のいずれかだろうと思われます。地名がより具体的な「佐原市香取」が可能性としては高いでしょうか。

 ・この映画には、大石恵三(原田芳雄)の入院している病院と“ヤツ”が入院している病院が出てきますが、これもエンドロールから推察すると、順天堂練馬病院、東京大塚医院、調布病院のいずれかだろうと思われます。

 そのほか、撮影に使われたらしい建物

 ・エステック情報ビル(http://www.stec-jbldg.co.jp/index.html) 会議室などに使われるビルのようですが、警察シーンのうちのどれかに使われたのでしょうか。

 ・学士会館(http://www.gakushikaikan.co.jp/guest_room/index.html) かつて将校クラブだったというレトロ感あふれるホテル(および、レストランや宴会等に使われる建物)ですが、『悪夢探偵』では……?

 ・九段下ビル(http://home.f01.itscom.net/spiral/kudan/kudan1.html) 神保町の古本屋街を散策すると嫌でも目にするあの建物ですね。使われたのは、大石恵三の夢の中のアパートか、“ヤツ”のアパートか、それとも……?

 あと、“自殺志願の娘”のアパート、肥枝田が妻に電話している場所(どこかの地下通路、もしくはビルの駐車・駐輪スペースのようなところ)、肥枝田の住まい、霧島慶子の住まいなどもありますが、特にどこと特定するような情報はありませんでした。

 一度しか観ていないので何とも言えなかったりするのですが、DVDで繰り返し観れば、もっといろんなことがわかるかもしれません。

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 ◆その他

 ◇ZOZOMESSE:http://zozo.jp/shop/zozomesse/goods.html?gid=155114&did=&cid=2069
 『悪夢探偵』で松田龍平がZOZOMESSEのTシャツを着たという縁で、限定コラボTシャツを作ったようです。4830円! ※SOLD OUTになってしまったようです。

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 ◇宣伝を担当された方
 PREMIERE ONLINE ムービーBLOG:http://www.premiere.jp/premiere/blog/writer/?act=msg&id=350

 ◇参考作品(劇場パンフで明らかにされているもの)

 ・探偵ものとして〜江戸川乱歩「少年探偵団」シリーズ、『ツイン・ピークス』

 ・ヴィジュアル・コンセプト〜ブラザーズ・クエイ『ストリート・オブ・クロコダイル』

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 ・影沼京一が夢に入る時に裸であること〜モーリス・センダック『まよなかのだいどころ』

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 ◆『悪夢探偵』に関するちょっとした感想・解釈など

 ◇さまざまな映画との連想

 ・影沼京一がどうやって他人の夢の中に入るのか、“ヤツ”がどうやって夢を通じて人を殺すのか、に関しては、映画の中では、ほとんど曖昧にぼかされています。
 結果だけ見ると、影沼京一は、単に人の心を読めるエスパーで、“ヤツ”は、話さずに考えるだけで携帯電話で相手と話ができ、一度話した相手とはケータイが切れてもつながっていて、一度「死にたい」と言った相手を、相手が夢を見ている瞬間に暗示で殺せる能力を持っているらしいということです。
 一度“ヤツ”とコンタクトしてしまったケータイは、『リング』における呪いのビデオや『着信アリ』におけるケータイに近いものがあります。元凶となる人物(現世に強い怨念を抱いている人物)がいて、犠牲者とのコンタクト(ビデオやケータイ)があり、事件の謎に挑む“探偵”役がいるという意味で、『悪夢探偵』は、物語構造上、『リング』や『着信アリ』と非常によく似ています。

 ・同様の物語構造を持つ映画で、ビデオやケータイを介しない(殺人が行なわれる)作品としては、黒沢清の『CURE』が思い出されます。

 ・ケータイなどの器具を通じて、アナザーワールド(『悪夢探偵』の場合は夢)とつながってしまう作品としては、『マトリックス』(またはサイバーパンクの諸作品)が思い出されます。『マトリックス』も、電話、もしくは催眠状態に入ることで、“現実世界”と“マトリックス”を行き来できるのであって、そう考えると、どうしたって『悪夢探偵』との類似性・関連性を思わないわけにはいきません。影沼京一はネオ、霧島慶子はトリニティ、“ヤツ”はエージェント・スミス、なのでしょうか。

 ・ネット上でのアクセスが死を呼ぶという意味では、黒沢清の『回路』が思い出されます。『回路』+『CURE』=『悪夢探偵』?
 ついでにいうと、黒沢清の最新作『叫(さけび)』にも“赤いドレスの女”が出てくるようですが、ただの偶然でしょうか。

 『回路』や『着信アリ』『悪夢探偵』は、パソコンや携帯電話の向こう側にある世界が、具体的なイメージを持たず、なにやら底知れぬ無限の闇とつながっているようにも思われることからくる恐怖心・不気味さ、に基づいて作られた作品、と考えることもできそうです。

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 ちなみに、主人公が他人の悪夢の中に入り込む物語として、最近映画化もされた筒井康隆の『パプリカ』がありますが、あの作品は、サイバーパンク的なもの(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%B3%E3%82%AF)への筒井康隆的な回答である、と私は考えています(日本での『ニューロマンサー』の発売は1986年で、『パプリカ』の連載開始は1991年)。

 ・『悪夢探偵』における霧島慶子は、「X-ファイル」のスカリー捜査官のイメージらしいのですが、トラウマを抱える女性捜査官として思い出されるのは、やっぱり『羊たちの沈黙』のクラリス・スターリングでした。

 ・誰かの意識(悪夢)の中に入って、事件を解決しようとして、現実ともう1つの世界の区別が次第につかなくなる作品としては、『ザ・セル』が思い出されます。

 ・昏睡状態にある者の、死ぬ間際の夢としては、『ジェイコブズ・ラダー』が思い出されます。

 ・殺人事件の犯人にたどり着いてみたら、“犯人”は病院のベッドで仮死状態にある人物(の意識、もしくは怨念)だった、というような映画が確かにあったと思うのですが、残念ながら思い出せませんでした。警察病院か、特殊施設のようなところに収容されている“犯人”に会うために、施設のまわりに張り巡らされたフェンスを破って、主人公が侵入する、といったイメージが確かにあるのですが……。

 ・そのほか、『悪夢探偵』から連想される映画は、まず『エルム街の悪夢』があり、そして、一連のスペイン映画にも悪夢と殺人を結びつけた作品がいくつかあったような……。

 ◇塚本晋也ワールドについて

 ・「死」に魅せられる塚本晋也
 作品の中に「死」を描くことは作品にインパクトを与える手段として手っ取り早いものですが、塚本晋也はこのところずっと「死にとりつかれたような映画」ばかり撮っている気がします。
 『バレット・バレエ』は、恋人の死と拳銃の魔力に魅せられた男の話だし、『六月の蛇』は自殺志願の男と乳がんにかかった女性の物語。『ヴィタール』には、死体、解剖、自殺、事故死等が描かれます。そして自殺志願者と自殺ばかりが描かれる『悪夢探偵』。
 塚本晋也が死にとりつかれているのか、作品にインパクトを求めた結果こうなったのか、あるいは自分が殺人を犯したり、自殺したりしないために、こうした映画を撮ることで自己の浄化をしているのでしょうか。
 現代の都市生活に潜む、思いつきのように簡単に生と死の境を越えてしまおうとする衝動や、死への欲望、「生」に対する執着の希薄さや「生」の脆さ、生の充実を感じたいがための死への接近、といったものがこのところの塚本晋也のテーマ、と言っていいのかもしれません。

 思いつきですが、『六月の蛇』に出ていた塚本晋也の後日談が『悪夢探偵』の“ヤツ”ということはないでしょうか。

 ・肉体を傷つけることへの強迫観念
 『東京フィスト』ではピアッシング、『バレット・バレエ』では銃弾によって一撃で肉体を破壊すること、『ヴィタール』ではメスによって体を切り裂くこと、『悪夢探偵』ではハサミやナイフで体を切り裂くこと、が描かれています。
 塚本晋也は、「死」と同じく「体を傷つけること」に強迫観念(肉体の脆弱性に対する恐れと自己破壊願望)を抱いていると考えてよさそうです。

 ・アナザーワールド
 『ヴィタール』に続いて、この作品でも現実世界とは異なるアナザーワールドが描かれていました。

 ・「思いつきのように簡単に生と死の境を越えてしまおうとする衝動」が潜む何気ない日常(歩道橋の上、アパートの一室、駐輪場、妻の寝ているベッドのとなり、通路の壁によせて置かれたベンチ)の切り取り方、も面白かったですね。

 ・すべては塚本晋也の夢であった、かもしれません。

 ◇塚本作品におけるヒロインについて

 『悪夢探偵』における目玉の1つは、もちろんhitomiの起用です。
 hitomiの演技がうまいかヘタかというとやはりヘタなのですが、ヘタと言って切り捨てられない不思議な魅力があります。
 それまでに1つの世界である程度の実績を残しながら、今また未知への世界へ飛び込むという意味で、hitomiと霧島慶子が重なり、作品の中で描かれる世界(の異常さ)に二重にとまいどいや心細さを感じる彼女に、観客もまた感情移入してしまうからでしょうか。

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 塚本晋也は、知的な女性、理性的な女性、日頃は知性や理性で武装している女性、が乱れるのを見るのが好きなんじゃないか、というフシがあります。
 しかし、そういう女性に助けを求められる男性役に自分を持ってこないところが、塚本晋也の屈折したところでしょうか。まぁ、それをやっちゃったら、イヤミになるんですけどね。

 瑣末なことですが、霧島慶子の母親を演じた人は監督と苗字が同じですが、監督の親族なのでしょうか? ひょっとすると奥さん?

 *当ブログ関連記事
 ・塚本晋也 in サン・セバスチャン ホラー・ファンタジー国際映画祭

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 東京は、2館でスタートした上映も、早々に1館だけとなり、その1館もイブニング・ショーだけの上映になり……。正直なところ、コケちゃったってことなんでしょうが、この映画に関して、テレビでは、全然告知してませんでしたもんね。映画の内容は別にして、hitomiで番宣すれば、もう少しなんとかなったでしょうに。hitomiがこの映画に出てること、hitomiが出ている映画があること、を知らない人が大半ですよね。
 『夜のピクニック』もそうでしたけど、ムービーアイはテレビへの売り込みが弱いんですよね〜。ちょっともったいない!

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cinema days 『映画な日々』
2008/01/12 02:28
≪悪夢探偵≫(WOWOW@2008/01/12@018)
悪夢探偵   公式HP   詳細@yahoo映画 ...続きを見る
ミーガと映画と… -Have a goo...
2008/02/06 15:46

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