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第63回ベネチア国際映画祭の結果が発表になりました。 コンペティション部門全22作品のうち、受賞結果は以下の通りです。 ・“Fallen”(バルバラ・アルベルティ/オーストリア/88分) ・“La stella che non c’è(The Missing Star)”(ジャンニ・アメリオ/伊・仏・スイス・シンガポール/103分) Fondation Mimmo Rotella Prize ・“The Fountain”(ダーレン・アロノフスキー/米/96分) ・“Hollywoodland”(アレン・コールター/米/126分) 男優賞(ベン・アフレック) ・“Nuovomondo(The Golden Door)”(エマヌエーレ・クリアレーゼ/伊・仏/120分) 銀獅子賞 SIGNIS Award、27th Cinema for UNICEF Award、FEDIC Award、Cinemavvenire Awards(Best film in competition)、National Union of Italian Film Journalists ・『トゥモロー・ワールド』“Children of Men”(アルフォンソ・キュアロン/英・米/114分) オゼッラ賞(技術貢献賞)=エマヌエル・ルベツキ Premio Lanterna Magica ・『ブラック・ダリア』(ブライアン・デ・パルマ/米/120分) ・“Bobby”(エミリオ・エステベス/米/120分) ・“The Queen”(スティーブン・フリアーズ/英・仏・伊/97分) 女優賞:ヘレン・ミレン、オゼッラ賞(脚本賞)=ピーター・モーガン 国際批評家連盟賞、IOMA a Venezia Award ・“Daratt(Saison Sache)”(マハマット=サレー・ハルーン/チャド・仏・ベルギー・オーストリア/96分) 審査員特別賞 Human Rights Film Network Award Special mention、SIGNIS 2006 Prize Special Mention ・“L´intouchable(The Untouchable)”(ブノワ・ジャコー/仏/82分) マルチェロ・マストロヤンニ賞(ベスト・ヤング・アクター賞)=イジルド・ル・ベスコ ・『パプリカ』(今敏/日本/90分) ・“Nue propriété”(Joachim LAFOSSE/ベルギー・ルクセンブルグ・仏/92分) SIGNIS 2006 Prize Special Mention ・『蟲師』(大友克洋/日本/131分) ・“Private Fears in Public Places”(アラン・レネ/仏・伊/120分) 銀獅子賞(監督賞)=アラン・レネ ・“Quei loro incontri(Those Encounters of Theirs)”(ジャン=マリー・ストローブ、ダニエル・ユイレ/伊・仏/68分) Special Lion(映画言語に革新を起こしたことに対して)。 ・“Exiled(放逐)”(ジョニー・トー/香港・中/98分) ・“Hei yanquan(I don’t want to sleep alone)(黒眼圏)”(ツァイ・ミンリャン/台湾・仏・オーストリア/115分) Cinemavvenire Awards("The Circle is not round. Cinema for peace and diversity" Award) ・“Zwartboek(Blackbook)”(ポール・バーホーベン/オランダ・ベルギー・独・英/135分) Arca Cinema Giovani Award ・“Ejforija(Euphoria)”(Ivan VYRYPAEV/ロシア/74分) Leoncino D’Oro (Agiscuola) ・“Sang sattawat(Syndromes And A Century)”(アピチャポン・ウェラセタクル/タイ・仏・オーストリア/105分) − ・“Sanxia haoren (Still Life)(三峡好人) ”(ジャ・ジャンクー/中/108分) 金獅子賞 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ◆金獅子賞について あ〜、びっくり! 金獅子賞はなんだろうと受賞結果を見て、それが知らない作品だったので、驚いてしまいました。当初発表になったコンペティション部門ノミネート作品21作品に後でもう1作品追加され、それが金獅子賞になったんですね。全然気がつきませんでした、というか、映画祭関係者にとってもこの滑り込みのノミネート(そして受賞)はサプライズだったようです(受賞が発表になった時点でもIMDbにはまだ21作品しか挙がっていません)。 コンペティション部門の紹介記事で、この作品のことは紹介していないので、少しだけ解説を。 “Sanxia haoren (Still Life)(三峡好人) ” [物語] 三峡ダムの建設で、村が取り壊され、離れたところに新しい村が作られている。昔の村はダムに沈んだが、ある物は生かされ、ある物はそのまま放置されている。 主人公は、鉱夫で、四川省の奉節(Fengjie)に、16年間会っていない前妻を探しにやってくる。2人は、揚子江のそばで再会し、再婚することに決める。一方、男の妻は、看護婦で、2年間戻って来ない夫を探しに奉節にやってくる。2人は再会するが、互いの気持ちを知りながら、妻が身を引くことに決める。別れの前に2人はダンスを踊る……。 変わり行く中国と人間模様が重ねられた作品であるらしいと感じられますが、シノプシスではまだはっきりとは、その内容はわかりません。(この鉱夫と看護婦の夫が同一人物なのかどうかも実ははっきりとはしていません。) 物語だけを見てみれば、『ひまわり』や『黒い瞳』に似ているようにも思われます。 [ジャ・ジャンクーと3大映画祭との関わり] 1998年 『一瞬の夢』(1997)〜ベルリン ネットパック賞、ウルフガッグ・シュタウデ賞 2000年 『プラットホーム』(2000)〜ベネチア ネットパック賞 2002年 『青い稲妻』(2002)〜カンヌ 2004年 『世界』(2004)〜ベネチア これまでの長編がすべて3大映画祭で上映されていて、しかもデビュー作である『一瞬の夢』以外はすべてコンペ部門にノミネートされています。 追記;この作品は、今年の東京フィルメックスのオープニング作品として上映されるそうです。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ◆その他の受賞結果について ・ベン・アフレック(男優賞) 大きな賞は『グッド・ウィル・ハンティング』(1997)でアカデミー賞主演男優賞、ゴールデン・グローブ賞主演男優賞以来。その後も、『アルマゲドン』や『恋に落ちたシェイクスピア』などで主演や助演でいろんな賞にノミネートされていましたが、ほとんど受賞には至っていません。今回の“Hollywoodland”は群像劇であり、ベン・アフレックの名前は全然トップではないので、ベン・アフレック自体、この受賞は意外だったのではないでしょうか(主演格なのかどうかは見てみなければわかりませんが)。受賞式にはいなかった? ・ヘレン・ミレン(女優賞) これまでいろんな役を演じてきていますが、大きな賞とは無縁でした。 ・イジルド・ル・ベスコ(マルチェロ・マストロヤンニ賞) 『発禁本 SADE』(2000)、『ロベルト・スッコ』(2001)でセザール賞にノミネート。『発禁本 SADE』でリュミエール賞を受賞しているくらい。ちなみに、ヤング・アクター(1982年生まれ)と言っても、女優としてのキャリアはもう15年以上あります。 ・エマヌエル・ルベツキ(オゼッラ賞) メキシコ出身の撮影監督で、これまで『リトル・プリンセス』(1995)、『スリーピー・ホロウ』(1999)、『ニュー・ワールド』(2005)と3度アカデミー賞にノミネート。『雲の中で散歩』(1995)、『バードケージ』(1996)、『ジョー・ブラックによろしく』(1998)『アトランティスのこころ』(2001)、『アリ』(2001)など、これまで手がけた作品は多数。 ・ピーター・モーガン(オゼッラ賞) これまで脚本を手がけた作品はほとんどテレビ作品ばかりだが、今後はケヴィン・マクドナルド“The Last King of Scotland”などの公開も控えている。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ◆予想の結果と、さらなる予想 私の予想で当たったのは、ストレートな意味では女優賞のみですが、ジャン=マリー・ストローブ&ダニエル・ユイレに何らかの賞が与えられるのではないかという予想もしていたので、それも当たりと見なせるかもしれません。 金獅子賞は、そもそも予想に入れていない作品が受賞したので、予想しようがなかったのですが、そろそろアジア映画に金獅子賞を与える頃なのではないかという指摘は当たっていました。 日本作品は完璧に無冠でした。 今回の受賞は、英語圏の受賞が多く、それは来年のアカデミー賞に大きく関わってきそうだと予想されます。 ベン・アフレック、ヘレン・ミレン、エマヌエル・ルベツキ、ピーター・モーガンが各賞にノミネートされるのはほぼ当確ですね。 “Daratt(Saison Sache)”と“Sanxia haoren (Still Life) ”は外国語映画賞にノミネートされる可能性があります。 イジルド・ル・ベスコ、アラン・レネもセザール賞に近づいた、と言えるかもしれません。 また、この結果が作品の日本公開にどう関わるかということを考えてみると、受賞作品はどれも劇場公開されるかどうかが微妙であったんですが(これまですべての作品をビターズ・エンドが配給しているジャ・ジャンクー作品は除く)、それぞれその可能性をアップさせたと考えられます。 私の予想では、この中から日本で劇場公開されるのが15本くらい、映画祭等で上映されるのが2本程度と考えます(現時点で日本での劇場公開が確定しているのは5作品でしょうか)。例年通りだと、全部で10本強なんですけれど。 *コンペティション部門のメインの賞以外にも、いろんな作品がいろんな賞を受賞していますが、これは北野武が『座頭市』でベネチアに行った時のことを思い出してもらえれば、理解してもらえると思います(参考:http://www.imdb.com/Sections/Awards/Venice_Film_Festival/awards_summary)。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 追記: ◆その他の受賞作・受賞者 ・HORIZONS部門グランプリ リウ・ジェ(劉杰) “Mabei shang de fating(馬背上的法庭)” ・HORIZONS DOC部門グランプリ スパイク・リー “When the Levees Broke: A Requiem in Four Acts”(2006/米) ・ルイジ・デ・ラウレンティス賞(新人監督賞) Peter Brosens、Jessica Woodworth “Khadak(The Colour of Water)”(2006/ベルギー・ドイツ) ・CORTO CORTISSIMO部門グランプリ(最優秀短編賞) Alix Delaporte “Comment on freine dans une descente? ”(2006/仏) ・PRIX UIP(最優秀ヨーロッパ短編映画賞) Daniel Elliott “The Making of Parts”(2006/英) ・CORTO CORTISSIMO SPECIAL MENTION(短編部門特別賞) Yeo Joon Han “Adults Only”(2006/マレーシア) ・名誉金獅子賞 デイヴィッド・リンチ ・批評家週間グランプリ Dito Montiel “A Guide to Recognizing Your Saints”(2006/米) ・Europa Cinema Label – Venice Days Daniel Sanchez-Arévalo “Dark Blue Almost Black(Azuloscurocasinegro)”(2006/西) ・Isvema Award Dito Montiel “A Guide to Recognizing Your Saints” (2006/米) ・Future Film Festival Digital Award 2006 デイヴィッド・リンチ“INLAND EMPIRE”(2006/米) ・Future Film Festival Digital Award 2006 Special Mention フォン・シャオガン“Ye yan(The Banquet)(夜宴)”(2006/中・香港) ・Pietro Bianchi Award マルコ・ベロッキオ ・Arcobaleno Latino Awards ヴィットリオ・デ・セータ “Lettere del Sahara”(2006/伊) ・Wella Cinema Donna Award Micaela Ramazzotti ( “Non prendere impegni stasera(Don't Make Any Plans for Tonight)”(2006/伊/Gianluca Maria Tavarelli監督作品)) ・ARCA CINEMAGIOVANI PRIZES(最優秀イタリア映画) Davide Alfonsi, Alessandro Fusto, Denis Malagnino, Daniele Guerrini “La rieducazione”(2006/伊) ・ARCA CINEMAGIOVANI PRIZES(“Altre Visioni”Prize) Christoffer Boe “Offscreen”(2006/デンマーク) ・OPEN2006 AWARD ジャ・ジャンクー“Dong(東)”(2006/中) ・DOC/IT-PROVINCIA AUTONOMA DI TRENTO AWARD Hala Alabdalla、Ammar Al Beik “Ana alati tahmol azouhour ila qabriha”(2006/仏)、ジャ・ジャンクー“Dong(東)”(2006/中) ・Human Rights Film Network Award スパイク・リー “When the Levees Broke: A Requiem in Four Acts ”(2006/米) *参考:http://news.cinecitta.com/dossier/articolo.asp?lang=1&id=5977 http://www.cineuropa.org/newsdetail.aspx?lang=en&documentID=66789 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− *応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓ ↓ ![]() *当ブログ関連記事 [詳細!第63回ベネチア国際映画祭 コンペティション部門] [その他のラインナップ 第63回ベネチア国際映画祭] |
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ベネチア映画祭受賞作アレコレ
ベネチア映画祭で金獅子賞をとったジャ・ジャンクー監督の「スティル・ライフ 三峡 ...続きを見る |
CINEMA草紙 2006/09/11 16:21 |
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
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TB&コメントありがとうございました。 |
bossa URL 2006/09/11 16:24 |
bossaさま |
umikarahajimaru 2006/09/12 01:10 |
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