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zoom RSS 時を経て、より印象が強まる映画 『カミュなんて知らない』

<<   作成日時 : 2006/02/23 08:00   >>

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画像 ・登場人物たちの映画に関する知識が、マニアックな部分がありつつも、あまりにも無知な部分もあって、チグハグ感がぬぐえない。

 ・この映画の中で描かれている大学生たちが、大学生として(あるいは、今の大学生として)リアルな存在感を持って感じられてこない。例えば、指導教授にアッシェンバッハと綽名をつけるとか、ストーカーまがいの女子学生をアデルと呼ぶとか、ちょっと感覚的にどうかと思うことが多い。

 ・出演者の演技の質がバラバラ。

 ・撮ろうとしている映画が何のための映画なのかがわからない(映画学科の卒業制作?映画制作カリキュラムの実践編?映画研究会の自主制作映画?その目的は?)。

 ・監督を任せられる松川(柏原収史)が何故監督をやらせてもらえることになったのか、それを示すような経緯・根拠(彼の監督的素質や映画の教養、グループ内での人望、リーダーシップなど)が全く描かれておらず、不可解。

 ・映画の準備段階で示される学生たち(の物事の進め方、あるいは力量、映画に関する知識)では、とても撮影シーンで示されているような「あの映画」(演出、演技、撮影、等々)ができるとは思えない。
 ………

 という具合に、鑑賞している間、そして直後は、欠点ばかりが目についた映画『カミュなんて知らない』だったのですが、あれから数日が経過して(その間、洋邦様々な映画も観て)、『カミュなんて知らない』がとても得がたい映画だったのではないか、という思いが強くなってきました。

 それが何によるものなのか、いろいろ考えてみたのですが、あえて言ってみれば、あの映画には、映画というものが持つ人をとらえて離さない何か(の一端)が映り込んでいたからではないか、そんな気がします。

 実際に、この映画は、多くの学生ボランティア・スタッフによって制作進行が進められたらしい(映画作りをモチーフにした映画は多いけれど、その映画自体がそういう映画作りのケース・スタディーになっている例は非常に珍しい)のですが、それがこの映画を直接的・間接的にとてもユニークな作品にした、というのは十分考えられそうなことです。技術的には未熟かもしれないけれど、「初心者だから、純粋だからできること」も確かにあったはずで、そうしてでき上がった作品は、一見不恰好で、欠点だらけに見えるかもしれないけれど、内から外から映画を支えた人々の思いをそこここから発散させている、とも考えられます。

 初心に立ち返って、すなわち、映画というものへの原点回帰という意味もあって、ベテランともなれば普通だったら気恥ずかしくてやらないようなこと、長回しに挑戦!とか、『ベニスに死す』のパロディーをやってみるとか、何でもあり、で、それも考えてみれば実に初々しく感じられます。

 10年間、映画を撮ることができなかった柳町光男監督の「映画への思い」も当然あるのでしょうが、それよりも、学生たちの純粋な熱意と覚悟に後押しされた部分も多かったのではないでしょうか。
 加えて、この作品には「映画に対しての全面的な肯定」があります。何故映画を作らなければならないのかとか、何故映画なのかとか、ということに対して一片の疑問もありません。前提条件というか、当たり前のこと、問うまでもないことされています。潔いじゃないですか。普通「映画作りをモチーフとした映画」は、「映画人たちの悔いや現実」を反映して、「挫折」で終わることも多いのですが、この映画では様々な困難が生じても、映画作り自体をやめようということにはなりません。それが、おそらく、この『カミュなんて知らない』に関わったすべての人にとっての、「映画に対する希望」なのだろうと思われます。

 まあ、私のこの映画に関する個人的な感慨はこのくらいにして、映画『カミュなんて知らない』に関して(もっともっと映画『カミュなんて知らない』に近づくために)、以下で、できるだけアプローチしてみたいと思います。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 ◆登場する学生たち この映画の中で学生として登場するキャストの実際の生年は以下の通り。

 黒木メイサ(レイ)1988年生まれ。
 金井勇太(中根) 1985年生まれ。
 前田愛(久田喜代子) 1983年生まれ。
 阿部進之助(本杉) 1982年産まれ。
 鈴木淳評(上村) 1981年生まれ。
 玉山鉄二(西浦博) 1980年生まれ。
 吉川ひなの(ユカリ) 1979年生まれ。
 柏原収史(松川直樹) 1978年生まれ。
 伊崎充則(吉崎) 1977年生まれ。
 中泉英雄(池田哲哉) 1976年生まれ。
 たかだゆうこ(佐々木綾) 未公表
 田口トモロヲ(大山) 1957年生まれ。

 田口トモロヲが大学生?『バトル・ロワイヤル』で山本太郎が高校生を演じていたのはまだ何とか見れましたが、田口トモロヲが大学生というのはどうか……という感じでしたが、田口トモロヲはいったん社会に出てから大学に入り直した再入学組という設定のようです(それでも35才という設定で、10才以上サバを読んでいますが)。

 実年齢で大学生であってもおかしくないのは、金井勇太から鈴木淳評くらいまでで、それ以外のキャストはほとんど自分より年下の役を演じることになります。
 驚くべきは黒木メイサで、撮影当時16才で、しかも大学教授を誘惑する役です。
彼女は、2004年につかこうへい劇団「熱海殺人事件〜平壌から来た女刑事」の主役で女優デビューしています。ホンモノしか認めないつかこうへいに認められたというだけでも既にお墨付きがついたも同然ですが、2005年には明治座舞台「あずみ」でこれまた主役で舞台デビューし、「JJ」でモデルとしても活躍中であるほか、テレビ・ドラマやCMにも出演中。本作より後に撮影された映画『同じ月を見ている』にも出演という、恐るべきキャリアで、大女優への道を驀進中の新進女優なのでした。彼女を「発見」できたことだけでも、この映画は、私にとっては、大いに価値あり、でした。

 ◆女優陣
 男優陣も魅力的でないことはなんですが、この映画で輝いているのはやっぱり若き女優たちです。

 ・前田愛 本作の実質的な主役で、物語もほぼ彼女の視点に寄り添う形で進んでいきます。他のキャストに比べてクセのない役ですが、こうした普通の役を普通に演じて、特別なことと感じさせない女優はとても貴重です。
 以前テレビで、彼女の留学経験や興味のあるところを知って、へえ〜そうなんだ、凄いじゃない?と感心していましたが、本作で確信しました、彼女は確実にビッグ・ネームになると。
何を以ってビッグ・ネームになったと評価できるか、月9の主役?、大河ドラマの主役?、これらも大物女優としての証ですが、彼女はもっと違ったところで勝負しそうな気がします。例えば、海外の映画やドラマへ出演して評価されるとか、映画監督としてデビューして非凡な才能を見せるとか……。手近な目標としては、「主演女優賞を総なめ」ですが、これはここ数年以内に実現しそうな気がします。
 彼女について参考になるサイトは「AI MAEDA Chronicle 愛ちゃん年代記」(http://gan.musical.to/Chronicle.htm)です。

・吉川ひなの 本作の中で、ひとり浮いているような感じもあり、それが演技なのか、地なのか、区別がつきにくいということもありますが、本作の中で異彩を放っているということは確かだと思われます。この映画の公開時期が秋だったら、確実に、各映画賞の助演女優賞候補になったはずです。

 ・黒木メイサ 彼女については、オヤオヤ文庫さんのブログ「ファッションモデルfan Oyaoya」が日本最強です。特に本作にもからめて書かれた記事(http://good.hellokitty.ne.jp/blog/h/10216726.html)は、目のつけどころ、映画の楽しみ方としてベストと言っていい記事です。素晴らしい!

画像

 ・たかだゆうこ スクリプターの佐々木綾役で、ほんわりとしていて、それでいて、他人から何と言われても自分の世界を揺るがせそうにない、ユニークな存在感を示す彼女は、美大出身のマルチ・アーティストだそうです。公式サイト「毒吐き天使 たかだゆうこ」はこちら(http://www.yuko-takada.com/top.html)。
 体があまり丈夫ではないらしく、日記の更新も途絶えていますが、サイトや「作品」から受けるイメージは、彼女は戸川純や野沢直子に連なる系譜(異色系女性タレント?)という感じでしょうか。黒木メイサとは違う意味で、『カミュなんて知らない』は彼女を「発見」する映画でもありました。

画像

 ◆戦後史と重なる映画監督たち
 10年間、新作を取ることができなかった柳町光男監督(1945年生まれ)は、同世代の監督が今、何をし、何を考えているかということに関してかなり関心があり、意識もしているようです(VOYAGERのサイト参照)。そこで柳町監督と同世代の映画監督の動向を調べてみました。

 和泉聖治(1946年生まれ) 『悪名』(2001)以来監督作なし。それ以前はOVを中心に積極的に映画を撮り続けていました。
 小栗康平(1945年生まれ) 『眠る男』(1996)から10年ぶりに『埋もれ木』(2005)を監督。
 川島透(1949年生まれ) 『押繪と旅する男』(1994)以来監督作なし。
 崔洋一(1949年生まれ) 『クイール』(2003)、『血と骨』(2004)など、コンスタントに監督作を発表。俳優としての出演もあり。
 新城卓(1944年生まれ) 『秘祭』(1997)以来監督作なし。
 相米慎二(1948年生まれ) 2001年没。遺作は『風花』(2000)。
 高橋伴明(1947年生まれ) 『光の雨』(2001)、『火火』(2004)など、あまり間隔を措かずに監督作を発表。
 長谷川和彦(1946年生まれ) 『太陽を盗んだ男』(1979)以来監督作なし。
 原一男(1945年生まれ) 『全身小説家』(1994)から11年ぶりに『またの日の知華』(2004)を監督(1999年にCINEMA塾製作で『わたしの見島』という作品あり)。

 もっと年輩でも若松孝二監督(1936年生まれ)のようにコンスタントに監督作を発表している監督もいますが、5年か10年に1本撮れるか撮れないかという監督がほとんどのようです(この世代に限ったことではないかもしれませんが)。だから当たらないと辛いし、次回作を撮るための条件がさらに厳しくなります。するとさらに慎重になり、余計に新作が撮れなくなるという悪循環に陥ります。どの監督も時代との向き合い方がユニークですが、他の監督の作品と比べると、『カミュなんて知らない』の、伸びやかさ、若々しさは、際立っている、と言えそうです。

 ◆事件と本と映画の関係
 『カミュなんて知らない』の中で映画化されるのは、2000年5月に愛知県豊川で起こった「愛知体験殺人」で、これを学生たちの手で映画化しよう(させよう)とした意図は、犯人の少年と学生たちが同世代であり、同世代の若者として「彼」が何故そういう犯行に至ったか、映画を通して迫ってみようということでした。犯人の少年は当時17歳で、2000年は17歳による犯罪が連鎖的に起こった年でもありました。

 時代や社会を象徴するような特異な犯罪や事件は、ルポルタージュされたり、小説化されたり、さらには映画化もされたりして、犯行に至る経緯や犯人の心理を明らかにしようと試みられることがよくあります。ここでは、少年少女がらみの事件と関連書籍、映像化作品についてまとめてみました。

 【事件】
 @1963年吉展ちゃん誘拐事件
 A1968年連続射殺魔事件(永山則夫事件)
 B1988年〜1989年埼玉 女子高校生コンクリート詰め殺人事件
 C1990年新潟 少女監禁事件(発覚は2000年)
 D1994年長野 宮田稔之君殺人事件
 E1996年大阪 武孝和君殺人事件
 F1996年小倉監禁殺人事件(発覚は2002年)
 G1997年神戸須磨児童連続殺傷事件(酒鬼薔薇事件)
 H1997年兵庫県稲美町高校生リンチ死事件
 I1999年4月山口県光市母子殺害事件
 J2000年5月愛知県豊川体験殺人
 K2000年5月佐賀バスジャック事件
 L2000年5月茨城県牛久 中学生障害致死事件
 M2000年6月岡山バット母親殺人事件
 N2000年8月大分一家6人殺傷事件
 O2004年6月長崎 小学6年生同級生殺害事件
 P2005年10月静岡 女子高生毒殺未遂事件
 Q2006年1月仙台 新生児誘拐事件

 【本】
 ・本田靖春著『誘拐』(1977)〜@
 ・永山則夫詩集『無知ノ涙』(1971)〜A
 ・松田美智子著『女子高校生誘拐飼育事件』(1997 幻冬舎アウトロー文庫←『少女はなぜ逃げなかったか 女子高校生誘拐飼育事件』恒友出版 1994)〜C
 ・藤井誠二著『17歳の殺人者』(2000 ワニブックス → 2002 朝日文庫)〜BDEK
 ・碓井真史著『少女はなぜ逃げなかったのか 続出する特異事件の心理学』(2000 小学館文庫)〜C
 ・碓井真史著『なぜ「少年」は犯罪に走ったのか』(2000 ワニのNEW新書)〜JKMN
 ・森下香枝著『退屈な殺人』(2002 文藝春秋)〜J
 ・藤井誠二著『少年に奪われた人生 犯罪被害者遺族の闘い』(2002 朝日新聞社)〜HIL
 ・藤井誠二著『人を殺してみたかった――17歳の体験殺人! 衝撃のルポルタージュ』(2003 双葉文庫)〜J
 ・桐野夏生著『残虐記』(2004 新潮社)〜C
 ・佐木隆三著『なぜ家族は殺しあったのか』(2005 青春出版社)〜F
 ・佐野眞一著『響きと怒り 事件の風景・事故の死角』(2005 日本放送出版協会)〜JKM
 その他関連書籍多数あり。

 【映画化・ドラマ化】
 ・恩地日出男監督「戦後最大の誘惑・吉展ちゃん事件」(1979)<TV>〜@
 ・新藤兼人監督『裸の十九才』(1970)〜A
 ・和田勉監督『完全なる飼育』(1999)〜C
 ・李相日監督『BORDER LINE』(2002)〜M
 ・中村拓監督『コンクリート』(2004)〜B
 ・若松孝二監督『17歳の風景 少年は何を見たのか』(2005)〜M
 ・柳町光男監督『カミュなんて知らない』(2005)〜J

 *「日経エンタテインメント」2006年3月号には、逆に、映画や本、ゲームが誘発した(参考にされた)と思われる最近の事件が列挙してあります。

 ◆映画公開までと公開後の動き
 『カミュなんて知らない』学生宣伝部ブログ(http://blog.livedoor.jp/camus_student/)では映画公開までと公開後の動きについて(2005年8月以降)情報が満載です、ここだけで満腹になってしまうくらいです。
 以下に簡単にINDEXをつけます。日付は各記事の日付です。

 ・各キャストに関するコメント
 9月22日 吉川ひなの
 9月23日 中泉英雄、前田愛
 9月24日 黒木メイサ
 9月26日 本田博太郎、田口トモロヲ
 9月27日 阿部進之助、鈴木淳評、伊崎充則、たかだゆうこ、金井勇太

 ・完成披露試写会 9月8日〜11日

 ・ニューヨーク映画祭 10月2日〜22日

 ・東京国際映画祭 10月23日〜31日

 ・立教大学学園祭 11月7日

 ・みらい座いけぶくろ上映会 12月28日

 ・「カミュなんて知らない」写真展 1月7日〜9日

 ・新ユーロスペース内覧会 1月14日

 ・公開初日 1月16日

 ・公開講座「シナリオと映画の距離」 1月24日〜25日

 ・ワークショップ「映画監督柳町光男 6時間 映画演出について語る」 1月27日〜2月16日

 ◆関連サイト
 ・公式サイト(http://www.camusmovie.com/)
 INTRODUCTION、STORY、監督インタビュー、映画評、キャスト&スタッフ・プロフィール、関連書籍について、劇中に登場する映画作品一覧、リンク集など。

 ・VOYAGER(ソフトウェア企画・制作・出版・販売会社)のサイト(http://www.voyager.co.jp/Camus_Anyway/index.html)
 あらすじ・解説、予告編、完成シナリオ、柳町光男・佐野眞一・萩野正昭鼎談など。

 ・池袋シネマ振興会HP(http://www.c-buku.net/nakaizumi/)
 中泉英雄インタビュー

 ◆エキストラ・関係者など
 本作は、多くのエキストラが出演している作品なので、「友人(や家族)が出演しているので観てきました」というような記載のあるブログをいくつも見ることができました。

 ・ブログ「あいことばはテキトーHYPER!」(http://blog.livedoor.jp/iinjan8204/archives/50453792.html)
 ご友人が出演されているようです。

 ・葉矢さんのブログ「さぶらいblog」(http://ironide.blog19.fc2.com/blog-entry-98.html
 お姉さんがエキストラ出演されているようです。

 ・marui0729さんのブログ「大事なモン」(http://ameblo.jp/marui0729/entry-10008684566.html)
 劇中劇脚本&演出の丸山通勢さんのお兄さんのブログのようです。

 ・kenttaさんのブログ「まともになりたい」(http://d.hatena.ne.jp/kentta/20060119)
 制作スタッフにご友人がいらっしゃるようです。

 ・武田力さんのブログ「力んでもキリマンジャロ!」(http://blog.livedoor.jp/takedariki/archives/50149181.html
 本作に出演し、現在も役者として活躍中の方のようです。

 ◆ロケ地
 ロケ地は、立教大学と池袋周辺、そして水海道で撮影されています。
 またしても水海道フィルムコミッション(映画『狼少女』の記事参照)が協力している作品なわけですが、劇中劇で使われた家は、『下妻物語』で桃子の家として使われたのと同じ家なんだそうです。

 ◆撮影&照明
 撮影で特に印象的なのは冒頭の長回しのシーンですが、最近の邦画で長回しと言って思い出されるのは、『THE有頂天ホテル』です。本作の撮影は藤澤順一さん、『THE有頂天ホテル』の撮影は山本英夫さん。藤澤さんは、中原俊、崔洋一、豊田利晃作品などインディーズ系の作品を手がけることが多く、山本さんは、三池崇史作品のほか、東宝系の作品が多い。
 照明は、どちらの作品も小野晃さん。
 本年度の映画賞は、この3人の中の誰かから選ばれると予想しますが、果たしてどうでしょうか。

 ◆公開劇場
 公開初日に関して書かれたブログは、例えばこちら。
 ヒロさんのブログ「エモーショナル★ライフ」(http://callhiro.seesaa.net/article/11711639.html)
 melomaneさんのブログ「麻布でボナペティ!」(http://blog.goo.ne.jp/melomane/e/237a019dbcb1a0b2ce7edd158cc115da

 東京でのメイン公開劇場は、リニューアルとなったユーロスペースなのですが、2スクリーンあるのにも拘らず、チケットの“もぎり”が厳密にはされていないので、観る劇場を間違えてしまう人もいるようです。
 私の場合は、いったん受付を済ませた後、まだ時間があったので、外に出て、戻ってきて入場したのですが、ノー・チェックで劇場に入れてしまいました。これではタダでも観れてしまいますね〜。

 ◆パンフレット
 構成は以下の通り。
 Cover Column 筑紫哲也
 Introduction * **
 Story *
 Critique 川口敦子
Review 河原畑寧 *
 監督インタビュー
 Essay 海原純子
 関連書籍について *
 カンヌ国際映画祭&ニューヨーク映画祭&東京国際映画祭フォト&レポート
 キャスト自筆メッセージ
キャスト・プロフィール *
 海外評 *
 ニューヨーク映画祭レポート 平野共余子
 Production Notes
 立教大学ロケ地map
 学生スタッフによるコメント(6名) 演出部・撮影部・衣裳部・制作部
 スタッフ・プロフィール *
 劇中に登場する映画作品一覧 *
 完成台本 **
 キャスト&スタッフ・クレジット

 公式サイトと同じコンテンツは*、VOYAGERのサイトと同じコンテンツは **で示しました。これだけネットで読めるものが多いなら、パンフは買わなくてもいいかもと思ってしまわれそうですが、パンフ・オリジナル・コンテンツも充実しています。キャストの自筆コメントから見えてくるものもあります。

 パンフ目次には、ジャーナリスト・筑紫哲也さんによる“Cover Column”、映画評論家・川口敦子さんによる“Critique”、映画評論家・河原畑寧さんによる“Review”、医師&エッセイスト・海原純子さんによる“Essay”と、それぞれ異なったスタンスからの記事があるように読めますが、海原純子さんの記事が若干医師というスタンスから書かれている以外は、どれもそれぞれの書き手による、柳町光男&映画『カミュなんて知らない』論です。普通だとこういう具合に何名もの書き手に劇場パンフ用の記事を書いてもらう場合、柳町光男論、作品論、愛知豊川体験殺人についての解説、この映画のきっかけとなった映像ワークショップに絡めた記事などとお題目を設定して書き分けてもらうものだと思うのですが、今回はそういう風にはしなかったようです。まあ、今回の4つの記事はどれもなかなか面白いので、それはそれでよいのですが。

 ◆グアパ・グアポ
 この映画の配給・宣伝を担当しているのは、ワコーとグアパ・グアポです。
 このうち、グアパ・グアポという会社は、ニューシネマワークショップという映画配給についてのワークショップ(実践的講座)に興味をもって参加した人が集まって立ち上げた会社(もともとは普通の社会人で、映画に関しては全くの素人だった。会社を立ち上げた当初は会社員として働きながら活動していた)で、第1回配給作品は『恋愛回遊魚』(劇場公開は2002年、ユーロスペースにて公開)。以降数多くの宣伝作品、配給作品を手がけています。一番の話題作はポン・ジュノ監督の『ほえる犬は噛まない』(これもユーロスペースで公開してロングランになりました)でしょうか。
 そういう人たちが、学生ボランティアが数多く関わった映画『カミュなんて知らない』の配給・宣伝を手がけたというのは、実に相応しいことであったように思われます。

  [キャッチ・コピーで選ぶ日本映画 2006年1月〜3月]

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
TBとコメントを有難うございました。このブログの記事は情報量が並外れて多く、また様々な視点から分析なさっているので、とても参考になります。監督たちの動向や事件の資料など特に興味深く読みました。ほかの記事も拝読させていただきます。
melomane
URL
2006/02/23 20:40
黒木メイサcファンで、ブログに書き込みを賜りましたオヤオヤです。
 そして、このような素敵な文章を書かれる方のブログで、過分なお誉めの言葉をいただいてしまいまして、恐縮するばかりです。ファッションモデル系アイドルのファンをやっていまして、また、それ系の情報コメント等ございましたら、ぜひよろしくおねがいいたします。どうもありがとうございました。
オヤオヤ文庫
URL
2006/02/25 12:01
TBありがとうございました。
遅ればせながら、
こちらからも返させていただきます。

確かに、この映画の大学生たちは、
どちらかと言えば
70年代の学生のようでしたね(私見)。
ですが、本作はストーリー以外の部分で
いろいろと楽しめる(笑える)箇所の多い、
個人的にはカルト映画だったと思います。
いくら映画が鈍臭くても、
柳町監督の熱意がギラギラしていて、
そこが大きな魅力になっていたと思います。
濃厚な柳町映画ではなかったでしょうか。
栗本 東樹
2006/02/28 07:39
TBありがとうございました。こちらの記事の詳細な情報、興味深く読ませていただきました。この映画は観た直後はガッカリしていたのですが、いろんな方の感想を拝見することで良さがじわじわと分かってきた映画でした。「あれってどうよ?」と今でも思うところはありますが、そういう不満も超えて何かを感じさせてくれる底力のある映画だったと今は思っています。
nancan
URL
2006/03/05 10:57

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