海から始まる!?

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zoom RSS 恋に落ちる瞬間

<<   作成日時 : 2005/11/08 06:00   >>

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 知り合って、好印象を持ち、お互いのことをだんだんよく知るようになって、恋に発展する。
 小説だったら、恋に落ちる過程を段階を追って、じっくり描いていけばいいのかもしれませんが、映画だとそう悠長なことはやっていられません。
 「この2人は恋に落ちた、もしくは恋に落ちたと観客が納得する」状況を早々に作り上げなければならない(登場人物の内面を具体的に目に見えるものとして示さなければならない)わけですが、単純化してしまうと、それには主に4つのパターンがあります。

 @ちょっとしたおかしみを与える ちょっとヘンな出会い方をしてしまう。
 A秘密の共有 何か2人だけの秘密を持ってしまう
 B罪の意識 一方が他方に迷惑をかけてしまう。
 C互いにイノセントでいて、何かを通して、互いに通じ合うものがあることを知る。

 もちろんこの4つに収まらないものもあり、「この2人しか恋に落ちようがないだろう」という風に設定されている場合もありますが、パターン化すると、この4つのパターンが見出されるっていうことですね。

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 公開中の『ティム・バートンのコープスブライド』では、Cが当てはまります。
 主人公の青年ビクターは、結婚相手を親同士の話し合いで決められ、面識もないエミリーと結婚することになりますが、彼は特に親に反抗する気もなく、運命を受け入れようと考えています。
 しかし、エミリーの家で偶然触れたピアノがきっかけとなって、互いに対し好印象を抱きます。
 一方で、その後、墓の中に引きずり込まれたビクターは、死者であるビクトリアに対してもピアノを通して、通じ合うものを感じます。
 ビクトリアが死者であるだけで、どちらも悪い人ではないとわかったビクターは恋のジレンマに陥ります。ビクトリアは死者だけど、自分のことを愛してくれている。そしてビクトリアには自分しかいない。しかも、ここからは抜け出せそうにない……。

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 具体的には、それぞれの映画の中で、主人公たちがどのようにして恋に落ちたのか、確実に恋に落ちたと思われるところから最初に遡って、この映画がどういう風にして、2人の恋を観客に納得させるように描いているか、反芻してみてもらいたいと思います。大概はこの4つのパターンに収まるはずですから。

 考え方としてはこうです。
 人には、「プライベートの領域」があって、そこは普段赤の他人には立ち入らせないところなんですが、上の4つのケースのようなことが起こると、プライベートの境界が崩れて、そこにふいに相手を入れてしまう。自分と相手がぐっと近づく、親密になるというのはそういうことによって起こるのだと考えられるわけです。それによって、相手も自分のプライベートの境界の中に入ってきて、自分自身に対するのと同じくらい相手も大事に、そしていとおしく思えてくるようになる。それが「恋」なんじゃないかと。
 補足しておくと、「プライベートの境界」は人によって厚さが異なり、非常に厚い人もいれば、非常に薄い人もいます。それが一見薄いように見えて、実はものすごくガードが固く、プライベートの領域にはなかなか立ち入らせない人もいます。誰にでもすぐ心を開く人もいれば、何層にもわたる境界を持っている人もいて、そういう人とはいくつもの段階を越えていかないとその人の実体(本心)には近づけないことになります。

 ちょっと図式的過ぎるかもしれませんが、物語上、観客に「この2人が恋に落ちた」と観客に納得させる必要は確かにあって、「好きだ」「愛してる」といくら言葉で繰り返されても観客には真実味を持って迫っては来ません。それを監督や脚本家がどのように導いていっているか(あるいはどういう風に出会わせるか)、というのは彼らの腕の見せ所でもあり、観客にとっても非常に興味深いところなわけですね。

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